トリチウム、トリチウム水の危険性について

(ダイヤモンド社書籍オンライン 2015年7月の記事から抜粋)

新著『東京が壊滅する日 フクシマと日本の運命』を出した広瀬隆さんのお話が、ダイヤモンド社書籍オンラインのウェブサイトに出ていました。

充実した内容なので、抜粋して紹介します。

○ 広瀬隆さんの話

福島第1原発では、現在も「緊急事態宣言」が発令されたままである。

汚染水の量はハンパじゃなく、この4年間で75万立方メートルに達している。

汚染水は、これからも増えていく。
なぜなら、原子炉に水を流し込んで冷やし続けなければならないからだ。

しかも、注いだ水は地下に流れ、どんどん外洋に流れ出ている。

海岸線の地下水は、太平洋の沖合と繋がっている。

自称専門家のバカな連中は、「巨大な壁を築いて外洋への漏水を止める」と言っているが、とんでもない話だ。

壁を築けば、地下に水が溜まっていき、地盤はめちゃくちゃになって、最後には建物がおかしくなる。

汚染水には、トリチウムも大量に含まれている。

トリチウムは、元素としては水素で、中性子が2つ含まれている。

重い水素なので、「三重水素」とも呼ばれている。

放射性トリチウムが恐いのは、水素のように振る舞うからだ。

トリチウムが酸素と結合すると、「トリチウム水」になり、水蒸気となって空気中を漂い、我々の体内に入ってくる。

そして、トリチウムはやがてヘリウム3になるのだが、その時にベータ線が放射される。

いま日本で普及している簡易式の放射線測定器は、ストロンチウム90やトリチウムが出す「ベータ線」は測定していない。

カリフォルニア州にあるローレンス・リヴァモア国立研究所は、「トリチウムによる催奇形性(奇形を生じさせる性質)は、致死性ガンの確率の6倍だ」と報告している。

つまり、次世代に奇形を生む可能性が高い。

人体の有機物とトリチウムが結合すると、容易に代謝(排出)されず、15年以上もベータ線を出し続ける。

また、ヘリウム3に変化する際には、トリチウムと結合していた箇所が切断される。

これによりDNAが破断されてしまう。

チェルノブイリ原発事故で汚染したゴメリなどの地域では、住民の染色体を調べると、右側の染色体だけが異常になっていた。

トリチウムは汚染水からの除去ができないので、原子力規制委員会は「除去せずに、薄めて海に流そう」と言っている。

薄めたってトリチウムの量が減るわけではない。
実に恐るべき犯罪者たちである。

現在、福島県内の子供の甲状腺ガン発生率は、平常時の70倍を超えている。

1951~57年に97回行われたアメリカ・ネバダ州での核実験では、実験場から220kmも離れたセント・ジョージで大規模なガン発生が起きた。

核実験と原発事故で放出される物質は同じで、3.11で地上に降った放射能の総量は、ネバダ州で放出された総量よりも2割多い。

中国は、日本の10都県の全食品について、輸入停止にしている。

(台湾も、2015年5月から日本食品の輸入を全て停止した)

(2015年後半に作成)

(以下はNewton2021年8月号から抜粋)

○  トリチウム水について

福島第一原発の大事故が起きて以降、トリチウムを含む汚染水が増え続けており、2021年3月時点で125万トンに上る。

トリチウムは水素の仲間で、不安定なため放射線(ベータ線)を放出しながらヘリウム原子に変化する性質がある。

放射線の半減期は、12.3年である。

通常の水素は原子核が陽子1個でできているが、トリチウムは陽子1個と中性子2個から成る。

「トリチウム水」とは、水分子の水素の1個もしくは2個が、トリチウムに置き換わったものだ。

トリチウム水は、普通の水よりも密度が高く、沸点や融点が高い。

放射性物質を集める装置である「ALPS(アルプス)」は、水の一部になっているトリチウムは分解できない。

そしてトリチウム水は、体内に取り込むと内部被ばくが起きる。

日本政府(自公政権)は、トリチウムの含まれた汚染水を、1リットルあたり1500ベクレルに薄めて、海に放出するとしている。
(※1リットルあたり1500ベクレルというのは、かなりの高濃度である)

人体に取り込まれたトリチウムは、一部は有機物(身体)と結びついて、体内での滞在時間が長くなる。

(2022年8月1日に作成)


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