「オン・ダイアル Vol.4」おまけ①
「Dexterity」「Dewey Square」のコード進行

おまけとして、「Dexterity」と「Dewey Square」のコード進行を紹介いたします。

前者は、スタンダード曲の「I Got Rhythm」のコード進行を元にしています。
一部のコードは変えていますね。

後者は、Ⅱ7を多用した、けっこう複雑な進行の曲です。

「Dexterity」  キーはB  形式はAA'BA'

 A

|B      |E(13)F7(♭9)|B G7(♭9 ♭13)|Cm7(9)F7  |
        (E7      )

|B♭(13)7  |EM7  A7   |B  G7(♭9) |Cm7  F7  |

 A'

|B      |E(13)F7(♭9)|B G7(♭9 ♭13)|Cm7(9)F7  |
        (E7      )

|B♭(13)7  |EM7  A7  |B  G7(♭9)|Cm7  B |
                    (B  F7    |B     )

 B

|D7         |D7        |G7       |G7      |

|C7        |C7       |Cm7       |F7      |

 A'

|B      |E(13)F7(♭9)|B G7(♭9 ♭13)|Cm7(9)F7 |
        (E7      )

|B♭(13)7 |EM7  A7   |B  G7(♭9) |Cm7  B  |
                                  (F7)

○ コード進行の解説

この曲は、AA'の部分は転調がありません。

コード進行としては簡単な方ですが、テンポが速いので、次々とコード・チェンジしていく事になり、実際にはかなり難しいです。

テーマ・メロディに合うように、テンション・ノートも沢山書いておきました。

このテンション・ノートを入れると、メロディにガツンとはまります。

AA'の2小節目は、アドリブに入ると下に( )で示している通りの、シンプルなE7になります。

A'は、最後の小節にも下に( )がありますが、アドリブ・パートに入るとこちらのコードなります。

「Dewey Square」  キーはE  形式はAABA

 イントロ (テイクBとテイクCに入っている)

|EM7on   |Bdim    |Aon   |B7(13)   |

|EM7on   |Bdim    |Aon   |B7(13)7(♭13 ♯9)

 A

|EM7      |Am7(13)7 |EM7 D7 |C7     |

|F7(9 ♯11)F7(9) |Fm7 B7  |EM7  C7 |Fm7(11)7 |

 A

|EM7      |Am7(13)7 |EM7 D7 |C7     |

|F7(9 ♯11) F7(9)|Fm7 B7  |EM7     |Bm7 E7(♭9 ♭13)

 B

|AM7      |Am7  D7  |EM7 D7  |C7      |

|F7        |F7       |Fm7      |Fm7  B7  |

 A

|EM7     |Am7(13)7 |EM7  D7  |C7     |

|F7(9 ♯11)F7(9)|Fm7 B7 |EM7     |B7sus4 EM7(9)
                           (Fm7  B7   )

○ コード進行の解説

まずイントロですが、Bの音が低音部で続く、ベース・ペダルになっています。

ぱっと見ると複雑な進行に見えますが、EM7 ー E7 ー A ー B7 というシンプルな進行が、少し形を変えているだけです。

Aは、2小節目でいきなり Ⅳm7-Ⅶ7が出てきます。

このⅣmが、哀感を醸して、いい感じなんですよねー。

3~4小節目は、ⅠM7ーⅦ7-Ⅵ7の進行となります。

5小節目のF7は、Ⅱ7です。
ここでは、メロディに対応したテンション・ノートも書いてあります。

冒頭でも指摘しましたが、この曲はⅡ7がかなり特徴的に使われていて、Bでも2小節にわたって使われています。

Ⅱ7の所では、パーカーは♯11の音を(テンション・ノートを)効果的に使います。

彼は、Ⅱ7の時に♯11を使うのを、定番にしています。

最後のAの8小節目は、テーマ時はB7sus4ーEM7(9)ですが、アドリブ・パートに入るとシンプルな Ⅱm7-Ⅴ7になります。

(2014年2月26日に作成)


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