おまけ① 「Omicron」のコード進行

『ウィムス・オブ・チェンバース』のおまけとして、いくつかの曲のコード進行を紹介します。

①では、「Omicron」のコード進行を紹介します。

この曲は、イントロが変わっていて、そこが難関です。

 「Omicron」  キーはD  形式はAABA

 イントロ

イントロは、4分の6拍子で(8分の12拍子で)演奏されています。

最初の4小節は、ドラム・ソロです。

エンディングでは4小節すべてが収録されていますが、このイントロでは『最初の2小節ほどがカット』されています。

そのため、変なタイミングで曲が始まり、最初はリズムが取りづらいです。

ドラムが4小節(カット部分があるので、実際の音としては2小節弱)を叩くと、そこにベースが加わってきます。

ベースが加わる所からコード感が出るので、そこからコード進行を書きます。

ベースとドラムで4小節を演奏すると、トランペットなどが入ってきて、本格的なイントロになります。

(ここからベース入る)
|D          |D        |D        |D      |

(ここからトランペットらも参加)
|D   (C7)  |B   (B7) |A  (A7)  |D       |

|D   (C7)  |B   (B7) |A  (A7)  |D       |

|D          |D        |D        |D       |

|D          |D        |

 A

|Gm7-5      |C7       |Fm7-5      |B7      |

|Em7-5      |A7       |DM7       |DM7     |

 A

|Gm7-5       |C7       |Fm7-5     |B7      |

|Em7-5      |A7       |DM7       |DM7      |

 B

|D7        |D7       |D7       |D7      |
(Am7     D7        Am7      D7     )

|E7        |E7       |E7         |C7      |
(Bm7     E7       Bm7       C7      )

 A

|Gm7-5     |C7      |Fm7-5      |B7      |

|Em7-5    |A7      |DM7        |DM7      |

 エンディング

最初の4小節はドラムソロ。

(ここからベース入る)
|D         |D       |D       |D      |

(ここからトランペットらも参加)
|D  (C7)   |B  (B7) |A  (A7)  |D      |

|D  (C7)   |B  (B7) |A  (A7)  |D      |

|C          |C         |C         |C       |

|C           |C         |C         |C       |

○ コード進行の解説

まずイントロですが、トランペットらが入ってくると、Dからコードが半音で下降する展開になります。

ベースが半音下降をしていないので、(C7)などと間のコードを( )にして書きましたが、本質的に半音下降の進行です。

( )のコード達は、セブンス・コードにする方がしっくりきます。

7(Ⅴ7)まで下降すると、次は元のDに戻ります。

Aに入ると、リズムが変わり、普通の4ビートになります。

Aの部分は、基本は Ⅲm7-5 - Ⅵ7 - Ⅱm7-5 - Ⅴ7 - Ⅰ です。

そこに、Ⅲm7-5(Gm7-5)へのⅡ-Ⅴが、冒頭に付け加えられた形になっています。

Bになると、Gキーに転調します。

でもGには、最後まで行きません。

8小節目ではC7に進み、Aの1小節目のGm7-5に無理なく進めるようにしています。

テーマ時はシンプルな「D7×4 → E7×3 → C7」の進行ですが、アドリブに入ると、下に( )で書いているように、D7とE7はⅡ-Ⅴ化して演奏されます。

エンディングは、途中まではイントロと同じです。

最後にCが長く続くのが、イントロと異なります。

普通だとDで(トニック・コードで)終わるものですが、ここではCで終わっています。

少し変な響きですが、まあアリでしょう。

(2014年8月7日に作成)


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