「失敗」という、第2の幻想

 神

「神は何かを必要としており、神の意志はいずれ実現する」という考えは、『神は全能である』という知識と矛盾したが、あなた方はその考えにこだわった。

この考えは、「神も失敗するのかもしれない」という幻想につながった。

この幻想は相当に無理があったが、人間の豊かな想像力は不可能を可能にしてしまった。

あなた方は、第1の幻想と同様に、神の資質を自分の経験を基にして推定した。

「自分達は幸せになるために必要なものを、すべて得ることはできないのだから、神だって同じだろう」と思ったのだ。

こうして、『失敗が存在する』という幻想が生まれた。

そしてこの幻想から、「人生の結果は疑わしい」という『文化的な物語』を創り上げた。

ここにおいて、あなた方は最初の『不安』にぶつかった。

これまでは、あなた方に不安は無かった。
神は全能であり、この世界はなるべき様になっていた。

この幻想にも、相当に無理があった。

神と人間が一体ならば、どうして人生の結果は疑わしいはずがあろう?

明らかに、この幻想には欠陥があった。
だから、間違いだと分かるはずだった。

しかし、あなた方の祖先はどこか深いレベルで、「この幻想を捨てると、大切な事が失われる」と感じていた。

その感じ方は正しかった。
幻想は、創造の道具として使えば、偉大な創造につながるからだ。

だが彼らは、過ちを犯した。

幻想を幻想と見抜いて、創造の道具として活用するのではなく、「幻想の欠陥を繕わなければならない」と考えたのだ。

こうして、第2の幻想の欠陥を繕うために、『分裂』という第3の幻想が生まれた。

(『神とひとつになること』から抜粋)


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