神
地球人の大半は、「自殺はオーケーじゃない」と考えている。
そして自殺を助ける事も、「オーケーじゃない」と言う。
だが、長期的に生命を殺す行動は、結果は同じでも違法ではない。
だから、銃で自殺をすれば「保険金は支払われない」が、タバコで死ねば「保険金は支払われる」。
あなた方の場合は、自殺が正しいかどうかは、単に時間の問題らしいね。
死が早ければ「正しくない」し、死がゆっくりであれば「オーケー」になる。
本当は、人道的なのは『苦しみを早く終わらせる行為』のはずだ。
ところが、医者が自殺を助けると罰せられ、タバコ会社は報酬を得る。
これは、狂気のさただ。
あなた方は、タバコを吸い、化学物質の入った食物を食べ、大気を汚染してその空気を吸っている。
これらの行為は、身体に良くないとあなた方も承知しているが、長い時間がかかるから、この自殺は罰されない。
いいかね。迅速に自分を殺す事が、ゆっくりと自分を殺す事よりも、倫理に反するわけではない。
ニール
それでは、神は自殺した人を罰したりはしないのですか?
神
私は、罰したりはしない。
ニール
どうして私達は、長期的な自殺を許すのでしょう?
神
楽しみを諦めたくないんだよ。
長期的な自殺の原因の大半は、楽しい事だ。
この楽しい事は、身体を満足させる事だ。
これは、あなた方の社会が原始的だという印だよ。
『魂の楽しみ』を中心に出来上がっている社会では、身体の楽しみは重視されない。
あなた方は、まだ幼稚園の年長組にもなっていない。まだ年少組だよ。
ニール
そう言われると、むっとするのは、どうしてなのでしょうか?
神
ほとんどの人は、観察したままを言われると、むっとする。
しかし、何かをしっかりと持つまでは、それを手放す事は出来ない。
何かを捨てるには、まず所有しなければならないのだよ。
ニール
「受け入れないものは、変える事が出来ない」という事ですね?
神
その通り。
悟りは、「ありのままを受け入れる事」から始まる。
あなた方は、自分達が幼稚園の年少組だという事を、受け入れない。
だから、いつまでもそこに居るのだ。
ニール
むっとしなくなれば、「ありのままを受け入れた」という事ですね。
神
その通りだ。
瞳の青い人に、「あなたの瞳は青い」と言ったら、むっとするかね?
(『神との対話2』から)