ニール
『貧しい人にもっと与えるために、金持ちにたくさん課税するのは、頑張った事を罰するのと同じだ』という考え方があります。
そう考えている人は、「貧しい人は努力をしていない」と言います。
そして、「誰だって自分の事だけを考えている」と主張し、「無情な冷たい考えだ」と指摘されると、「チャンスは誰の所にも平等にやってくる」と言って、逃げます。
自分たちには頑張れたのだから、誰かがそうしないのは「当人が悪い」、と言います。
神
「そういうのは思い上がった傲慢な考え方だ」、そう思っているのだね?
ニール
そうです。あなたは、どう思われますか?
神
私は判断しない。それは、単なる考え方だ。
重要なのは、『あなたがその考えをどう思うのか』だ。
私はこう見ている。
不利な立場に生まれついた人やグループは、存在する。
それは客観的な事実だ。
もう一方で、極めて高い形而上のレベルでは、誰も不利ではないことも事実だ。
それぞれの魂は、自分が達成したい事をするのに必要な、出来事や環境を創り出すからだ。
あなた方は生まれる前に、両親や国などの環境を、選んでいる。
そして人生を通じて、出会う人や出来事や環境を、創造し続けている。
魂が達成したい事柄を考えれば、誰も不利な立場にはいない。
ニール
では、不利な立場にいる人が「自分のカルマを果たす」ために、私はただ眺めているべきなんですか?
神
それは、非常に良い質問だね。
第一に、あなたがここでするべき事は『自分がどうありたいかを決定し、実行する事だ』ということを、覚えておきなさい。
どんな状況でも、最初に問うべき質問は、「ここで私は何を望むのか」だ。
決して「相手は何を望んでいるか」ではない。
ニール
不思議なご意見ですね。
神
人間関係がめちゃくちゃになるのは、「自分が何を望んでいるか」ではなく、「相手が何を望んでいるか」を知ろうとするせいだよ。
その後にあなたは、「相手が望むものを与えるかどうか」を考え、取り引きゲームをする。
人間関係の目的は、『あなたが成長し本当の自分になるためには、何を必要とし、何を望むのか』を知る事だ。
そのために、私は他者との関係を創造した。
関係の中で、あなた方は自分を新しく創造できる。
不利な立場の人たちと接する時は、第一に、その人たちとの関係で「自分は何者であるか」を決定しなさい。
第二に、救援者でありたいなら、そのためには何がベストかを考えなさい。
最大の援助は、『相手が自分の足で立てるようにする事』、『相手に本当の自分を思い出させる事』だというのを忘れないように。
相手に自分を思い出させる事は、新しい精神で自分を見る事でもある。
あなた自身も、「新しい精神」で彼らを見なければならない。
あなたが「不運な人だ」という目で相手を見れば、当人もそう思うだろう。
(『神との対話2』から)