安倍内閣の進める集団的自衛権の行使容認
国民の過半数は反対している

(毎日新聞2014年6月29日から抜粋)

毎日新聞は、6月27~28日に世論調査を行った。

安倍晋三・内閣が容認しようとしている「集団的な自衛権の行使」は、『反対が58%』と、賛成の32%を上回っている。

集団的な自衛権は、5月の調査では、反対54%、賛成39%だった。

閣議決定の時期が近づくにつれて、反対が増えている。

安倍内閣の支持率は4%落ち、45%と内閣発足以来で最低となった。

不支持率は2%増えて35%になり、これまでで最高になった。

安倍内閣は、「集団的自衛権の行使の範囲は、限定的だ」と主張している。

これについて尋ねたところ、「そもそも行使すべきでない」が43%で最多だった。

「限定した内容にとどめるべきだ」は41%だった。

政府は「限定的にする」と言っているが、集団的自衛権では武力行使の範囲は拡大するし、攻撃される危険性も高まる。

行使に賛成の人でも「限定した内容にとどめるべきだ」の意見が74%に上っており、戦争への歯止めが利かなくなる事への懸念は強い。

政府の説明が「不十分だ」とする人は、81%である。

「不十分だ」とする人は、内閣支持者でも71%、行使に賛成の人でも67%に上っている。

また、行使容認を「憲法の解釈の変更」で行おうとしている事については、反対は60%、賛成は27%だった。

解釈変更という手法は、支持を得ていない。

「集団的自衛権を行使できるようにした場合、他国の戦争に巻き込まれる恐れがあると思うか?」との質問については、「思う」が71%、「思わない」が19%だった。

国民には、戦争につながる事への危機感が強い。

「行使の容認は、他国が日本に攻める事への抑止力になると思うか?」との質問には、「思わない」が62%、「思う」が27%だった。

安倍首相は「抑止力が高まり、戦争が回避される」と主張しているが、国民は共感していない。

○村本尚立のコメント

この世論調査を見ると、国民は安倍政権に踊らされることなく、冷静な判断ができていると気付きます。

私は常々思っているのですが、日本で最も知的レベルが低いのは、自民党を始めとした国会議員や、官僚ですよ。

自民党の知的レベルの低さは、石原伸晃・環境大臣の「最後は金目でしょ」発言や、都議会での自民党議員(鈴木章浩)の「自分が結婚したほうがいいんじゃないか」発言(ヤジ発言)で明らかです。

もっと国民の声が反映されれば、政治はどんどん良くなると思います。

日本人は、自分の求めている事と違う事を行う政党に、選挙で票を入れる人が多すぎます。

日本では、「自民党なら安心」とか「野党勢力は実力がない」とか「社民党や共産党は危険」との考えを持っている人が多いです。

これらの考えには何の根拠もないし、戦後史を学んだから分かるのですが、プロパガンダに毒されています。

もっとシンプルに、自分の求める政策を掲げている党に票を入れましょう。

現在は、国民は深い考察に基づいた正確な判断を下しているのに、それが政治に反映されていません。

あまりにももったいない状態ですよ。

(※以下は2023年4月13日に追記)

(『サンデー毎日2019年1月27日号、田原総一朗の記事』から抜粋)

東西の冷戦が終わった時、日本では2つの意見が出た。

1つは、ソ連が居なくなったからには、対米従属をやめるべきだという意見。

もう1つは、冷戦後はむしろアメリカに日本が見捨てられる可能性があるので、もっと従属すべきだという意見。

後者の論客が、北岡伸一、岡崎久彦、田中明彦たちだった。

北岡伸一たちは、「アメリカに守ってもらうためには、日本もアメリカを守らなければならない」と言って、集団的自衛権の行使容認を安倍晋三・首相にやらせようとした。

そして2015年に新安保法制が国会で可決されたが、翌16年の参院選挙ではまた自民党が勝った。

この時に私は、安倍首相に訊いた。
「いよいよ改憲だね?」と。

安倍首相の返事は、意外なものだった。

「実は田原さん、大きな声では言えないが、改憲する必要はなくなりました。

集団的自衛権の行使を認めるまでは、リチャード・アーミテージやジョセフ・ナイから、このままでは日米関係が悪化すると言われたが、新安保法制の以降はアメリカが何も言わなくなった。

つまり改憲の必要が無くなりました。」

安倍首相は、新安保法制の後も、護衛艦いずもの空母化で専守防衛を吹っ飛ばし、アメリカから兵器をどんどん買っている。

(※アメリカからの次の指示は、空母化や兵器購入だったということ)

とても危険な状況だ。


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