サッカー男子 日本対ブラジルの親善試合の感想
(2012.10.19.)

先日に、ザックジャパンとブラジルの親善試合がポーランドで行われました。

日本は0対4で敗れ、メディアは「ザックジャパン初の惨敗」と報じました。

ですが私は、惨敗だとは思いません。
私の感じた事を書きます。

まず試合を観ていて思ったのは、「今のブラジルは強いぞ」という事です。

現在のブラジルは、ネイマールを始めとして、「若くて才能があり、なおかつ真面目な選手」が揃っています。

伝統的にブラジルは「遊び好きで不真面目な選手」が何人かいるものなのですが、今の代表には居ないように見えます。

このため、ブラジルとしては珍しく組織としてまとまっており、皆が献身的にプレイをしています。

ブラジルは、「すばらしいテクニックとひらめきはあるが、チームとしてのまとまりに欠けるため、個の力が最大限に活かされることがない」という状態が、10年ほど続いてきました。

ついにそこから抜け出したのではないか、と私は思いました。

「今のブラジルは、スペインと並ぶレベルに近づいており、世界最強国のレベルだ」と思いました。

もう一つ気になったのは、「点差がついても、ブラジルが全然手を抜かない」という事です。

普通だとブラジルは、大きな大会でない時は、2点差くらいがつくと手を抜きます。
相手をなめてしまうのです。

そこがブラジルの弱点なのですが、この試合では一切そのような手抜きはありませんでした。

この理由として、「次回のワールドカップはブラジルで行われるので、モチベーションが高い」ことと、「ワールドカップが自国開催なので予選が無い。そのために親善試合が貴重なチーム作りの場になっている」ことがあります。

要するに、ブラジルは本気でこの試合に挑んできたわけです。

ここまでに説明したように、今回のブラジルは『良い仕上がりで強い、さらにモチベーションも高い、本気の状態』でした。

そのブラジルと闘った日本代表は、どうだったでしょう?

結果は0対4でしたが、私は「しっかりと正面から闘っており、ボールもキープ出来ている。以前だったら押し込まれて、カウンター狙いの雑なボールクリアーくらいしか出来なかったのだから、これは大前進だ。」と思いました。

日本が「本気のブラジル」と前回に闘ったのは2006年ワールドカップで、この時も大差で敗れました。

しかし、サッカーの内容は今回の敗戦の方がはるかに良いです。

私は今回の試合を観て、「日本は強くなったなー」と思いましたよ。

ここからは、日本代表の課題を書きます。

目に付いたのは、攻撃の時にボールをキープ出来るのに、攻めあぐねていた事です。
ブラジルに守備を固められると、行き詰っていました。

この状態の解決方法は、3つあります。

1つは、「逆サイドに速いボールを展開させて、揺さぶりをかける」ことです。

もう1つは、「選手たちが積極的に動き、ブラジル守備陣を引き付けることで守備陣形を崩して、スペースを作る」ことです。

あと1つは、「スピードの速いワンツーパスを使って、狭いスペースでも突破する」ことです。

上記の三つを行うには、今よりも正確かつ速いパスを使用しないといけません。

具体的に言うと、『パススピードを1.2倍くらいにあげる』必要があります。
そのためには、『パスの受け手の利き足に、パスをピタッと合わせる技術』が求められます。

パススピードを上げれば上げるほど、受け手の利き足に正確に届くように、パスを出す必要があります。

FCバルセロナの選手たちは、この技術がもの凄くて、数十メートルのパスでも数センチしかずれません。
この神業が、あのパスサッカーの土台です。
逆に言えば、この技術があればバルセロナのサッカーにかなり近づけます。

今の日本代表に求められるのは、『速いパスを正確に出す技術(正確に蹴る技術)』だと思います。

戦術や組織力、基本のテクニックや運動量は、負けてなかったと思います。


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