「グレート・リセット」という言葉が、しばらく前から一部の人々の間で注目されています。
世界経済フォーラム(ダボス会議)の中心にいるクラウス・シュワブが提唱したもので、彼は「グレート・リセット」という著作も出しています。
つい先日までの私は、世界経済フォーラムに参加する金融資本家や政治家や多国籍企業のトップらが、「グレート・リセット」という自分勝手でアホな計画を立てている、くらいの認識でした。
ところが、日本の首相である岸田文雄が、ダボス会議の特別講演にて「いま我々は、グレート・リセットの先の世界を描いていかなければなりません」と発言したのを知りました。
(※講演は2022年1月18日に行われました。その動画がネット上にあります。)
それで私は、「もはや対岸の火事では済まないな。きちんと調べて対策を講じないといけない」と感じたのです。
ちなみにこの岸田文雄・首相の特別講演は、クラウス・シュワブとの対話形式になっており、クラウスの質問に文雄が答えるものでした。
文雄の最初の挨拶と答弁は、日本の国会におけるものと同じで、適当に耳当たりの良いことを述べて煙に巻きつつ、その実体は内容がなく陳腐なものでした。
で、途中で武田薬品のCEOであるクリスタル・フェイブルがゲストで加わり、岸田文雄に質問をしました。
これに対し文雄は、「大企業がグローバルな活動をスムーズに行えるように、グローバルなルールや手続きを早急に整備していくことが必要です。新たな法律の提出を目指しているところです。」と答えました。
次に、エア・リキード社の会長兼CEOのブノワ・ポティエが登場し、岸田文雄に質問しました。
(※エア・リキード社は初耳でしたが、調べたところ、フランスのガス・メーカーで、日本にも支社のある多国籍企業です)
ブノワ・ポティエは、「私たちはネット・ゼロ(温室効果ガスを差し引きゼロにすること)に取り組んでいるが、日本政府はどう貢献するのか」と質問しました。
岸田文雄の答弁は、「クリーン・エネルギー戦略を策定し、企業の投資を後押しする政策を具体化していきたい。早急にこの分野への投資を倍増させたいと考えています。特に送配電インフラの強化、蓄電池への投資強化、非炭素電源(発電)への投資強化、の議論を深めていきたい」でした。
その後、クラウス・シュワブの問いかけに対し、岸田文雄はこう答えました。
「コロナ禍を機会に、日本の、特に地方のデジタル化を一気に進めていきます。
そのためにはインフラの整備、ルールの整備が必要です。
光ファイバーや5Gなどのインフラを国が率先して行います。
5Gの人口カバー率を、2年で9割に引きあげます。
日本を1周する海底ケーブルを、3年で整備します。
さらに遠隔医療、オンライン教育、スマート農業を全国展開します。。
こうした新たなビジネスは、既存の制度とぶつかる事もあるため、現状の法令を4万件、一括で改定する計画をまとめます。
そうした上で、ドローンや自動走行を後押ししていきます。
その際は、国の内外の企業から投資をお願いしたいと思います。」
上の岸田文雄の答弁を読むと分かると思いますが、日本の国会では曖昧な答弁に終始する彼が、多くの約束を期限を切ってするという、大盤振舞いです。
正直、私は驚きました。
「こんなに約束をしちゃうんだ。莫大な予算が必要で、日本社会を大きく変える技術の導入を、こんなに次々と約束しちゃうんだ」と、かなりショックを受けました。
日本の国会において、各党の議員たちが日本国民を代表して色んな要望(政策)を岸田文雄・首相に提示してますが、文雄は歯切れの悪い答弁ばかりで、めったに実行の約束はしません。
それがここでは、大予算になる政策を、次々と約束している!
日本人ではない奴を相手に!
私は、岸田文雄の講演ということで、彼が自分の所信を長々と述べるものだと思ってました。
ところが蓋を開けてみると、ダボス会議トップのクラウス・シュワブや武田薬品のCEOなどから質問攻めを受け、日本政府として彼らの要望に応えていく約束をする内容でした。
動画を見てもらうと分かるのですが、クラウス・シュワブのほうが岸田文雄よりも偉そうにしていて、文雄は下風に立っています。
こういう事実があるから、「日本政府などの各国政府は、一部の大金持ちの支配下にある」との説が流布するのでしょう。
私は、この世界の「グレート・リセット」(偉大なやり直し、偉大な再設定)には反対しません。
ただし、それを世界経済フォーラム(ダボス会議)に参加する、大金持ちや各国の権力者や多国籍企業らが主導するのが、許せないのです。
私の心の底から、こんな気持ちが、こんな言葉が、湧き上がってきました。
「この世界を一からやり直す? 悪くないじゃないか。
だが、やり直すような今の行き詰った状況は、ダボス会議とかほざく、お前らエリートを自称する連中が創ったんだろ。
それなのに、なんでお前らが責任も取らずに、社会のリセットを世界の人々の賛同もなく行おうとするのだ。
グレート・リセットは、我々が、一般の人々が主導する!
いまの世界は、人口の1%が冨の50%を持っている。
それが間違いの根本なのだ。
それをリセットする。
具体的には、1人につき1億円以上の資産は没収して、資産の少ない人々に分け与える。
また、一部の者が隠して独占してきた重要な情報や技術も、全て一般公開し、全世界の人々で共有する。
これが、『真のグレート・リセット』だ!」
ダボス会議? クラウス・シュワブ?
それが何だというのか。
この世界の主役は、私たち1人1人なのです。
ごく一部の人間が、上から押し付けるグレート・リセットなど、偽物にすぎません。
グレート・リセットは、ぜひやろうじゃないか。
世界の大金持ちたちの資産を全て明らかにし、1億円以上は没収して、それを全人類で分配しよう。
これならば、皆が楽しんで実行できる。
リセットしようじゃないか。偉大なリセットを。
最新のデジタル技術を活用して、金持ちたちや大企業が、脱税できないようにしよう。
そのための社会インフラや、国際的なルールを整備しよう。
1億円以上が没収だと、日本でも結構な数の人が対象になるでしょうが、人類史でも画期的な「グレート・リセット」なんだから仕方ないでしょ。
リセットして、皆で冨を分配して、またそこからスタートすればいいじゃないの。
これをやれば、飢え苦しんだり、住まいや衣服に苦労する人は居なくなります。
「グレート・リセット」なんて言うと、とんでもない出来事に思うかもしれませんが、歴史を見るとそれに近い事がたまに起きています。
私は中国史の勉強をして、それに気付いたのです。
このページの後半を見てください。
中国において何度も社会の冨のリセットが行われたと分かります。
昔は、大動乱とか天災とか戦争を経て、冨のリセットが行われましたが、そんな事をせずとも自分たちの知恵で平和的にリセット(分配)を行えばいいのです。
それこそが、真の人類の進化なのであり、真の社会の変革なのです。