デモに初参加した感想(後半)
デモの本質とこれからのデモの在り方について
(2013.12.14.)

『特定秘密保護法案』に反対するデモに参加した感想の、後半です。

私が驚いた事の1つは、『デモの参加者に若い人が多かったこと』です。

デモについては、年配の方が多いというイメージを持っていました。

新聞などのメディアで写真を見ても、年配の方が多い感じがあります。

しかし私の参加した代々木のデモは、早稲田大学の学生が加わっている事もあり、若者の比率が高かったです。

20~30代の方が多かったです。

40歳までが50%、40歳以上が50%、といった比率でした。

現在のデモは、私もそうですが、どこかの団体に所属しているわけではなく、単独で参加する方が多いようです。

このデモでは、主催者自身も団体所属ではないようでした。

参加者たちは、年齢とか職業にも、ぜんぜん共通点は無いですね。

これは、とても良い事だと思います。

デモというと、何の人脈も無い人は参加しづらいイメージがあります。

でも現在のデモは、変なしがらみが無いです。
それをもっと周知させれば、参加者は増えると思います。

初参加した私が、デモを終えて感じた事は、『良い運動になった』という事です。

1時間ほど歩き続けるので、ハイキングをしたような疲労感があり、翌日は筋肉痛になりました。

普段あまり運動をしないので、「こういう運動の仕方も、悪くないな」と思いました。

正直な話、今の日本では、デモ行進よりもインターネットで情報を発信した方が、多くの人に自分の考えをきちんと伝えられると思います。

デモは、人々に大きなインパクトを与える力はありますが、詳細な情報を発信できないので、インパクトだけで終わるところがあります。

私はデモ行進をしながら、「この活動では、今回の法案の問題点を、きちんと伝える事はできないなあ」と強く感じました。

デモの主催者の方などは、「デモは人々の考え方を変えられる」と言うのですが、私にはそうは思えないです。

人間の価値観や信念を大きく変えるには、じっくりと相手を説得する必要があります。

そのためには、インターネット上に充実した内容の記事を書いたり、良質の講演をする方が効果的です。

デモの効力は、「人々の価値観を変えること」ではなく、『自分が心の中で感じていることを、他の人々も感じているのだと知れること』にあると、私は参加してみて実感したのです。

要するに、「自分が感じていることは、変な事ではないのだ。おおっぴらにそれを発言していいのだ。」と人々に思わせる事ができる、これがデモの真の力だと思うのです。

今回の『特定秘密保護法案』を例にするならば、多くの人々は心の中で「この法案には違和感があるなあ、要らないんじゃないの?」と思っています。

普通だとそれをおおっぴらには言わないのですが、デモで声を挙げている人を見ることで、「ああ、他の人も同じ事を感じているんだなあ。だったら私が言っても大丈夫だな。」と思えます。

これが、デモの真の力だと思うのです。

デモ行進というものは、賛成派を反対派に変えたり、反対派を賛成派に変えたりする、そういう力は無いと思います。

そうではなく、『秘かな反対派をおおっぴらな反対派に変える』、という力を持った活動なんです。

結論として何が言いたいかというと、こうです。

『デモを行う者は、「これで人々の考え方を変えてやろう」と思う必要はない。

「私はこう思っているんだ!」と堂々と伝えれば、それで十分である。』

だから、デモはもっと軽い気持ちで行って良いのです。

デモは、もっと爽やかなものでいいはずです。
深刻にする必要はないと思うのです。

前述したように、デモ行進では、ハイキングのような適度の運動ができます。

デモの在り方を、『健康のための運動を兼ねた民衆活動』という、爽やかな位置に持っていければ、参加者は飛躍的に増えると思います。

最近は、健康志向の人が多いですから。

私は思うのですが、スポーツ観戦や行楽施設には何万人も人が集まり、それが社会の常識になっているのに、自分たちの暮らしを変えるためのデモに人々があまり参加しないのは、残念な状態です。

もっと軽い気持ちで参加できるような形に、デモを進化させましょう!

人々が休日に、「ハイキングの代わりにデモに行こう」と思えるくらいに、敷居を低くすればいいです。

そうなれば参加者も開催数も増えて、日本の民衆運動は活発になります。

欧米のデモを見ると、日本のデモよりも敷居が低い感じがあるんですよね。
あれを導入したらいいです。

具体的には、『デモに初参加した感想(前半)』にも書きましたが、ネット上の告知などをフレンドリーにして参加しやすくする、行進中の音楽や掛け声をモダンにする、というのがまず思い浮かびます。

最後に、『霊的な見地』からデモを論じます。

スピリチュアルの世界では、「反対(抵抗)をするよりも、望むものを要求する方が創造の力が働く」と言われています。

『反対することには、あまり創造力はない(あまり世界を変える力はない)』というのが、霊的な世界の常識なんです。

この創造のルールを、今回の特定秘密保護法案について当てはめると、法案に反対するよりも、「情報を制限したり隠したりしない、自由で平等な世界やルールを望む」と主張する方が世の中を変えられる、という事です。

デモというのは、大抵は「~に反対する」と主張するのですが、それよりも「~を実現しよう、そのために具体的にはこれをしよう」と主張する方が、創造の力が働く(人々の心を捉える)のです。

今までのデモは、抵抗運動の側面が強く、「何か良くない事があった時に、それを阻止するために行う」色が濃かったです。

でもこれからのデモは、「これを実現しよう」と訴えていくのが良いです。
その方が、人々に影響力を与えられると思います。

具体的に言うと、「情報公開法を進化させよう」とか「ツワネ原則を日本に導入しよう」などとデモで訴えるのが有効です。

脱原発を目指すデモについても、「原発反対」ではなく、「再生可能エネルギーを普及させよう」とか、「原発の無い美しい世界を望む」などと訴えれば、もっと創造の力が働くはずです。


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