小平市の住民投票が35%の投票率だった、との報道から感じたこと
(2013.5.30.)

5月27日の新聞に、「東京都小平市で住民投票が行われたが、投票率は35%にしかならず、50%未満だったために無効になった」との報道が出ていました。

市内の道路計画をめぐる投票だったのですが、あまりの投票率の低さに、私は驚かされました。

もし自分の住む自治体で住民投票が行われることになったら、私は小躍りして喜ぶのですがねー。
単純に、イベントとして楽しめるじゃないですか。

なぜ投票しないのでしょうか。実にもったいないです。

棄権票が65%にも上ったわけですが、その理由の大半は「住民投票をしたところで、行政は変わらない」との意見だったようです。

このような、「私が行動しても、どうせ世の中は変わらない」という考え方は、かなり広く国民に浸透しているようです。

昨年末の衆議院選挙の投票率の低さからも、それは窺えます。

しかし、この考え方は完全に間違っていると思います。

今回の報道について、私や私の家族は、「こんなに低い投票率を見て、がっかりした。なぜ、もっと投票に行かないのだろう。日本人の意識は低いのだろうか。」と口にしました。

こうした意見は、この報道に接した多くの方が感じたと思います。

私はもう、「誰が何をしようと、私は私の信念を貫く」と完全に決めたので、このようなネガティブな情報に接しても、動じません。

今回の報道に接した時も、3分で気持ちを切り替えました。

しかし、10年くらい前までの私ならば、「日本人は、意識の低いだめな人々なんだ。私は日本人だから、私もだめなんだ。」と思ったでしょう。

何が言いたいかというと、今回の投票で棄権した人々は「自分には、世の中を変える力は無い」と信じているから棄権したのですが、本人達は気付いていないが『実は、世の中に大きな影響を与えている』という事です。

だって、そうでしょう。

この報道に接した我々は、「なんで投票しないんだ」とか、「どうせ投票しても無駄なんだと皆が思っているのだな。私も今度は棄権しちゃおう」とか、「日本人はまだ意識が低い、私が日本を変えてみせる(これは私の感想です)」などと、それぞれに感じたのですから。

つまり、棄権した人々は、全く予想していなかったでしょうが、 『その行動を全国の人々に知られて、日本全体に大きな影響を与えた(世の中を変えた)』のです。

私は思うのですが、この世界は自分が認識しているよりも、はるかに他人が自分を見ていて、その影響を受けています。

「自分には、世の中を変える力は無い」という信念には、様々な要素があると思いますが、大きな要素として「誰も自分に注目していない」というのがあると思います。

でも、今回の件でも分かりますが、本人が「誰も見ていないだろう」と思ってした事でも、かなりの人が注目する事になったりもします。

私たちは社会に生きていて、いつも他人と関わって生きています。
ですから、「常に誰かに見られており、誰かに影響を与えている状態」なのです。

このように考えるならば、『万人が、世の中に常に影響を与えている』というのが、実情でしょう。

常に世の中に影響を与えているのだから、「何を世の中に伝えるのか」を考えるのは、とても大切な事です。

自らの行動を通して、「私には、世の中を変える力はありません。どうせ、この世界は変わりません。」というメッセージを世に伝えるなんて、あんまりですよ。

投票を棄権する事は、こうしたメッセージを発する事なのだと、ぜひ気づいてほしいです。


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