サッカー日本代表男子 最近3試合の感想
良くなってきている(2013.9.10.)

サッカーの日本代表・男子について、最近3試合の感想を書きます。

8月14日にウルグアイ戦、9月に入ってからは6日にグアテマラ戦、本日のガーナ戦と行われました。

まずウルグアイ戦ですが、これは2対4と完敗した試合で、『守備のお粗末さ』が目に付きました。

私はこの試合を観て、「日本は、攻撃は2点を取っている事から分かるが、成長している。今度は守備の成長の番だ。」と感じました。

コンフェデ杯の頃までは、日本は『得点力不足』が深刻で、私もそれを改善できるようなアイディアを記事にしていました。

でも、どうやらそこは改善してきたようです。

日本の攻撃は、形になってきていると思います。
連係が向上してきているし、バリエーションが増えてきて膠着する事が少なくなっています。

それに対して、守備は粗が目立ちます。
特に、『カウンターを食らった時の対応』に問題があります。

ウルグアイはFWのスアレスが絶好調だった事もあり、カウンターでいいように日本を攻略していました。

私が気になったのは、『日本の守備陣が、相手がカウンターを仕掛けてくると、すぐに下がってしまう(ラインを下げてしまう)』ことです。

FCバルセロナのような強いチームは、カウンターを仕掛けられても安易に下がりません。
むしろ前に出て行って、相手が前を向いたりスピードに乗ったりしないようにします。

これは、上手くいかないと大ピンチになってしまうやり方ですが、勝ちにいくには大切な姿勢です。

日本の守備陣は、スアレスなどの選手を恐れるあまり、簡単にラインを下げすぎました。
そのためにスペースが出来てしまい、かえって失点を重ねていました。

気になったのは、日本のDFの方が数的な優位を得ている場面でも、なぜか簡単に崩されていた事です。

例えば、ウルグアイのFW3人対日本のDF4人の場面だったら、普通ならしのげるはずなのに、ほぼ100%の確率でシュートまで持ち込まれてしまうのです。

マークの付き方がヘタなのか、びびってしまって厳しくチェックにいけないのか。

日本はディフェンス・ラインを高く設定しているので、カウンターを食らいやすいのですが、日本のDFは走り負けている事が多かったですね。

FCバルセロナは、センターバックにもマスチェラーノみたいに足の速い選手を起用しています。
日本代表も、足の速い人を起用していくのが良いかもしれません。

それにしても、バルサのマスチェラーノは凄いですね!

読みがとてつもなく凄くて、身長が低いのに、ヘディングでも競り勝ちます。

それに、足の速さを活かしたカバーリングが、人間離れしています。
「そこまで広いエリアをカバー出来るのか! あんた凄いよ…」と脱帽します。

彼は、元々はボランチの選手でしたが、現在では世界最高のセンターバックの一人です。

元バルサ監督のグアルディオラが、マスチェラーノをCBで起用し始めた時は、「何を考えているの? いくらバルサがCB不足でも、その起用は無いでしょ」と思いました。
だからグアルディオラの眼力の凄まじさを見せつけられましたよ。

次に、グアテマラ戦についてです。

こちらは、相手が格下だった事もあり、3対0と楽勝でした。

でも、前半はチャンスをたくさん作ったのに、得点をできませんでした。
もし前半のチャンスで得点をしていたら、6対0になっていたでしょう。

特に、1トップの大迫さんの決定力不足は気になりました。 
良いパスをもらえているので、ポジショニングは悪くないのですが、シュートの場面で落ち着きがありません。成長してほしいです。

後半になって、本田さんや柿谷さんが出てきてからは、流れが変わりました。

評価したいのは、柿谷さんのポストプレイが、かなり機能していた事です。

柿谷さんの特徴を考慮して、皆がくさびのパスは足元に出すようになりました。
そのために、彼の足元の技術の高さが活きるようになっています。

彼の今後の課題としては、『パスを出すか、キープするかの判断』が挙げられます。

柿谷さんは、キープできる場面でも、すぐに味方に戻していました。
私は、「今はキープして、味方が良いポジションに移動するのを待った方がいいのに」と何度か思いましたよ。

あと評価したいのは、『GK西川さんの足さばき(ボールさばき)』です。

西川さんは、足でボールを蹴る技術が高くて、相手FWの寄せにも動じずに、冷静に味方にパスを繋いでいました。

これは、世界的にはかなり浸透してきているGK技術なのですが、日本のGKではまだ一般的ではありません。

GKが良いパス・センスをみせて、フリーの味方に鋭いパスを出すと、チャンスになる事が多いんですよ。
この試合でも、チャンスに繋がっていました。

西川さんは、足でのボールさばき、冷静な判断力では、川島さんよりも上ですね。

2人は、良いライバル関係だと思います。

このところの数試合では、『香川さんの活躍』も目立ってます。

色んな場面に顔を出して、攻撃を活性化しています。
以前から運動量はありましたが、動きが機能するようになってますね。

後半の途中で、岡崎さんが絶妙の裏への抜け出しをして、香川さんから「ピュー」と最高のロングパスが供給された場面がありました。

本当に美しい攻撃であり、この試合のハイライトの1つでした。

岡崎さんはキーパーと1対1になったのですが、トラップを少しずらしてしまい、得点には繋げられませんでした。

ここで得点をしていたら、間違いなくこの試合のハイライトとなり、今年の日本代表の得点シーンの中でもベスト1位に輝いたでしょう。

CBの森重さんも、良かったと思います。

彼は足が速いようで、相手のカウンターへの対処が素早かったです。

この試合では失点しそうな危ない場面が少なかったですが、森重さんのポジショニングの良さとカバーリングが貢献していたと思います。

最後に、本日のガーナ戦です。

この試合は、攻撃と守備のバランスが良くて、日本は一貫して良いサッカーをしていました。

結果も、3対1と圧勝しました。

前半には、最高の崩しをして、本田さんがGKと1対1になる場面がありました。

本田さんは、ただゴールにボールを入れるだけだったのですが、外してしまいました。
あれは決めないといけません。 
あのミスは、W杯のような場面だったら致命的です。

まあ、本田さんが一番自覚していると思いますけど。

日本は、控えの選手が出てきても、すぐに機能するようになってきていますね。

そのために、『試合の状況に応じて選手を替える事』が、スムーズに出来るようになってきました。

これは、以前には無かったことで、大前進だと思います。

解説の方々も指摘していましたが、守備では、危ない場面ではMFやFWもきちんと自陣に戻ってカバーリングをしていました。

体力的にはきついはずですが、失点が1点だったのは、この貢献が大きいです。

ガーナは、日本よりもフィジカルが強いはずですが、それを感じさせなかったです。
逆に言うと、日本の選手達がうまく対応していたという事ですよね。

日本は、選手同士の距離感が良かったです。
皆がうまくバランスを取っていました。そういう気遣いは、日本人の得意分野ですねー。

以上の3試合を通してみると、日本代表は新しい選手を加えて、それがプラスに働き、チームが活性化されました。

それにしても、日本の選手層は厚くなりましたねー。
控えの選手たちのクオリティが、ピッチ上のメンバーに劣らない状態(2チーム作れる状態)になってきています。

一昔前の日本からは、想像できないですよ。


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