なでしこジャパン アルガルベ・カップを観た感想
なでしこの課題(2014.4.1.)

しばらく前(先月の前半)の話ですが、女子サッカーの国際大会「アルガルベ・カップ」がありました。

私はサッカーが大好きなので、なでしこジャパンの全4試合のうち、3試合を観ました。

そこで感じた「なでしこジャパンの課題」について、書こうと思います。

まず、この大会では、なでしこは準優勝となりました。

結果的には2位だったので、多くの人は「なでしこは、かなり良い状態にある」と結論を下したようです。
メディアの評価は、好意的でした。

でも私は、「なでしこジャパンは、ほとんど成長していない。このままでは来年のW杯の優勝は無い」と感じました。

今大会を観て驚いたのは、『各国が、パス技術やスピードを大きく向上させてきていること』です。

どの国も、以前よりも良いサッカーをするようになっていました。

それに対して、なでしこは「前よりも、多少パスを繋げるようになった」くらいしか、進化した所がなかったのです。

私は、『各国が力を付けている中で、日本は停滞している。このままならば、来年のW杯で日本が連覇する事は、100%無い』と思います。

正直に言うと、なでしこが連覇をしなくてもぜんぜん構いません。

私は、結果至上主義の人間ではないし、特に女子に対してはぜんぜん結果を求めない(頑張っているだけで評価する)人間です。

でも、なでしこの選手達が勝ちたいと思っているのを痛切に感じるので、あえて厳しい事(なでしこジャパンの課題)を、ここからは書いていきます。

まず言いたいのは、『日本のサッカーが世界で頂点に立つには、パス・サッカーをするしかない。圧倒的なパス・サッカーを築き上げるしかない』です。

これが、ここからの話の前提になります。

これについては、だいぶ以前に『私の提案』のページに、『日本サッカー界の皆さん、ペップのバルサを目指し続けましょう』を書いて説明しました。

そうして、ペップ(グアルディオラ)が名将として世界サッカー界に君臨する今日では、日本のサッカー・ファンの常識にすらなりました。

だから、「なぜ日本はパス・サッカーを目指すのがベストなのか」は、省略します。

なでしこジャパンについても、華麗なパス・ワークが長所であり、それを基盤にして強豪国の地位を確立しています。

ところが、です。

今回のアルガルベ・カップで痛感したのですが、女子の場合、他国のパス技術が大幅に向上してきており、『日本の優位性が崩れてきている』のです。

元々、日本人は体格・背の高さ・パワーでは不利にあります。

特に女子では、それが顕著であり、大人と子供がピッチ上で戦っているのかと思うほどに、体格差があります。

なでしこは、その体格差をパス技術やスピードでカバーしてきたのですが、各国がパス技術とスピードをアップさせているのでカバーしきれなくなっています。

今大会では、なでしこの試合は、「対アメリカ」「対スウェーデン」「対ドイツ」の3試合を観ました。

このうち対アメリカと対ドイツでは、日本はサッカーの内容では、明らかに相手に負けていました。

結果的には日本は準優勝でしたが、内容的には今大会のなでしこは「2勝2敗」だったのです。

女子・日本代表は、冷静に見ると相対的には力を落としてきています。

このままでは、もっと力を落としていくでしょう。

問題は、「なでしこは、どうしたらいいのか」です。

『トラップとパスの精度を上げること』『パス・スピードを上げること』が、解決法だと思います。

なでしこのサッカーを観ていて感じたのは、「良いパス・ワークを試みているが、大事なときに(厳しい局面のときに)繋がらないし、パス・スピードが遅すぎる」です。

パスを出す場所の選択は良いのですが、『パス精度と受け手のトラップ技術が低いために、きちんと繋がらない』ことが、特に重要な場面で多いです。

もったいない状態ですよ。

そして、『パス・スピードが遅いために、相手の陣形を崩しきれない』ことも多いです。

現在の1.3倍のスピードでボールを回せば、崩しきる事が可能になります。

なでしこジャパンを見ていると、選手の連動性(戦術的な動き)や、シュート・チャンスで決める決定力や、組織的に守る守備力は、合格ラインだと思います。

だから、パスをもっと素早く正確に繋げるようになれば、得点数が増えるはずだし、ディフェンス・ラインを容易に押し上げる事が可能になり、守備も楽になる(失点も減る)はずです。

ぜひ、パスとトラップに特化した練習をして下さい。

そうすれば、W杯の連覇も見えてきます。

結論としては、

『なでしこのお家芸であるパス・サッカーを、もっと鍛えろ。

そうすれば、攻撃も守備も自然にレベル・アップする。』です。


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