フィギュアスケート
町田さんの引退に驚いた 羽生さんについても
(2015.1.5.)

昨年末のことですが、全日本選手権に出場した町田樹選手が、試合後に突然に引退表明をしました。

彼以外の全員が知らされてなかったようで、会場は完全に唖然としたという。

私も翌日の新聞で知り、「えっ、マジ?! どうしたの、何があった?」と、心底から驚きました。

町田さんは、今シーズンの最初に「新しい町田樹を見せます」と豪語し、優勝もするなど好調を維持していました。

「羽生結弦を倒す」みたいな発言もしていたので、期待していたのですが…。

(彼は穏やかな人柄なので、「ライバルとして尊敬する羽生君に勝ちたい」と柔らかいニュアンスで言っていましたね)

これからさらに飛躍しそうだったので、この突然の引退には不思議な感じを受けました。

報道によると、町田さんはプロスポーツ選手のセカンド・キャリアについて以前から危機感を持ち、スポーツ・ビジネスの研究者になりたかったそうです。

大学院に入るための勉強を、密かに続けていました。

彼の発言から「学究肌」なのは感じていたし、研究者という道は向いていると思います。

だが、あまりにも突然すぎる…。

これから「羽生越え」をしていくと期待していた私は、完全に肩透かしを食らいました。

「町田……。あれだけ強気な発言で周りを盛り上げておいて、投げっぱなしで去るか……。」と、彼のマイペースさと我儘さに呆れました。

私は、羽生さんよりも、武骨で日本人体型で弾けたセンスをしている町田さんに好意を持っていました。

あの激しいニキビ痕にも、親近感を感じていました。

だからこそ、「羽生を倒せ、そしてチャンピオンになれ。羽生が不調な今、お前が主役になれる。お前の時代が訪れようとしているんだ。」と、思っていました。

当てが外れましたよ。

本来だとセカンド・キャリアに進む町田さんに応援メッセージを述べる局面ですが、失望のあまり応援する気になれません。

まあ、彼のマイペースぶりを考えると、順調に進んでいくでしょう。

話を変えて、ここからは羽生結弦さんについて書きます。

正直に述べますが、最近の彼には好感が持てません。

彼が悪いのではなく、ファンとメディアに問題があると思います。

現在の彼の置かれる状況には、地に足が着かない危うさや不健全さを感じます。

見ていて、胸がムカムカするのです。

彼の抱える危うさと不健全さが最も見えたのは、『GPシリーズ第3戦』での、悲惨な有様でした。

「本番前の練習中に衝突事故 → 深刻な怪我 → ドクターストップが出たのに強行出場 → 無残な出来、実力のかけらも出せず → 競技後は歩くのもままならず担架で退場」という、衝撃の事件が起きたのです。

上記の一連の物語を、私はテレビで目撃していましたが、『異常な世界・してはならない事』と感じましたよ。

実況・解説の松岡修造さんは、この物語を中継しながら、「感動した! 闘う男を見た!」と大絶賛していました。

怪我を抱えて顔が真っ青なのに無理矢理に出場し、無残な演技をみせ続けた羽生さんに対して、この評価はおかしいと思います。

十代でまだまだキャリアを続けていく選手に無理をさせるのは、間違っています。

怪我をした時点で、出場を断念すべきでした。

競技を終えてからマトモに歩けず、担架で会場から運ばれていくなんて、どう見てもおかしいですよ。

判断ミスだったのが明らかです。

それを褒めるなんて、愚行そのものです。

それに、あんな状態での出場は、周りの選手達もよけいな心配を抱えてしまいます。

明らかに、大会の進行に悪影響を及ぼしていましたよ。

羽生さんが強行出場してしまったために、大会自体が、羽生さんの根性を試す「羽生劇場」になってしまいました。

あの「羽生劇場」は、評価する人と評価しない人に二分していると思います。

大勢の選手が出る国際大会を、評価の分かれるキワモノに1人の選手がしてしまう事は、それだけで間違っています。

さらに間違っていたのは、羽生さんの演技に対する過大な採点です。

こけたり、ミスをしまくっているのに、なぜ2位になるんだよ!!!

ジャッジに、同情によるかさ上げがあったのは、明白です。

私は、「どうなってるんだ、フィギュアスケート界は。お客を満足させるためには、八百長まがいの事までするのか。」と、不信感で一杯になりました。

私は、フィギュアスケート界に黒いものを感じ、羽生さんにも好意を持てなくなりました。

羽生さんのファンにとっては「感動的な歴史に残る名スケート」なのでしょうが、普通の人は引いてしまったのではないでしょうか。

羽生さんがベテランの年齢で、引退を決めている人だったら、強行出場も理解できます。

周りの選手も納得するでしょう。

でも、彼はまだ十代じゃないですか。

本人が出たいと言っても、周りが止めないと。それが良識です。

考えてみると、羽生さんはこの大会以前から体調が悪く、出場が危ぶまれているくらいでした。

その状態だったからこそ、集中力不足となり練習中の事故(怪我)に繋がったのだと思います。

無理をしたから怪我をしたのに、さらに無理をする(出場する)なんて無謀でしたよ。

メディアはそれを冷静に指摘しなければならなかったのに、そういう批評はゼロでした。

羽生さんはその後、このままだとGPファイナルに選ばれないので、GPシリーズ第6戦(NHK杯)にも出ました。

そして、出来は良くなかったのに、4位に入って、ぎりぎりでGPファイナルへの切符を手にしました。

私はこの時も、「八百長なんじゃないか」との疑いをぬぐえなかったのです。

「羽生さんは圧倒的に集客力があるので、GPファイナルにどうしても出場させたく、採点で水増しをしたのではないか」

この疑念が浮かんで仕方ありませんでした。

今の羽生さんとファンの作り出す空気は、周りの人々や一般のフィギュアスケート・ファンが入れない排他的なもので、見ていて居心地が悪いです。

私は、この状態が続くならば、フィギュアスケートの中継を観なくなるでしょう。

スター選手がいるのは別に構いませんが、その選手だけ特別扱いすると、スポーツの前提である公平さに損傷が生じます。

今の羽生さんを取り巻く状況は、危険なものを孕んでいると思います。

冷静さを取り戻してほしいですね。


日記 2015年1~3月 目次に戻る