本日の国会
野党の演説は素晴らしかった
戦争法案の強行採決を見て思ったこと
(2015.9.17.)

本日の午後に行われた、「参院委員長への不信任動議に基づいた討論」をTV生中継で見ました。

安保法案(戦争法案)について議論が尽くされていないのに、鴻池・委員長が質疑の打ち切りを一方的に決めたため、反発した民主党の福山哲郎さんが「解任を求める動議」を提出したのです。

この討論は、実質的には法案に反対する野党たちが心情を吐露する場となりました。

代表者たちは、情熱的に思いを述べたのですが、とても充実した演説ばかりで、私は感動しましたよ。

中でも、福山さん(民主党)、福島さん(社民党)、山本さん(生活の党)の演説は、歴史に残ると思われるほどの傑出した内容でした。

私は、彼らの演説を聴いていて、「やはり、この人達の(法案に反対している野党の)言っている事が正しい。真に日本の事を考えているのは、この人達だ。」と感じました。

ぜひ、ネット上で探すなどして、彼らの本日の演説に耳を傾けてほしい。

心に響く、充実した、愛情と誠意に満ちた、お話となっています。

法案についてだけでなく、『日本の在り方』にまで話は及んでおり、私は心から共感しましたよ。

彼らの言葉は、愛国心の固まりでした。

福山哲郎さんは、「鴻池委員長は午前3時すぎに、『いったん参院特別委員会を休憩し、8時50分から現状のままから再び委員会の話を進める』と約束した。それなのに8時50分に集まってみると、約束を破って質疑の打ち切りと採決強行をいきなりしようとした」と言いました。

私はこの約束違反(後ろから切りつけるに等しい行為)を知り、それを追及されても平然としている自民党を見て、改めて「自民党は国民の事を全く考えない党だな」と思いました。

自民党と公明党は、『誠意がない』という点において、一貫している。
私は「国民の敵」と認識する所まで来ていますよ。

公明党は、支持者(創価学会員)が法案を危惧して反対するのを、無視し続けている。

党是とかけ離れた道をばく進する姿は、「腐りきった組織」そのものです。

公明党に深い失望を抱いている人は、とても多いでしょう。

私は思うのですが、失望している学会員は、勇気を持って脱会した方がいいです。

今の自民党も公明党も、説得や正論に耳を傾ける度量は無いです。

信じて支持してきた人々は、この事実を認めるのは辛いと思いますが、もう現実を直視しなければならない時期です。
むしろ、遅すぎるくらい。

脱会して、新しい道を歩む時だと思う。
ぜひ検討してほしいです。

福山さんは、「昨日に突然に、自公は野党の3党(次世代の党ら)と法案の修正で合意した。我々にはその件は一切知らされていない。もし修正がされたなら、その事を自公はきちん国会で報告し、その内容についても質疑をしなけばならない。」と言いました。

正論そのものですよ。

内容が変わったのなら、それを質疑・討論する必要がある。

少数野党を抱き込んで、「野党に歩み寄った」との詭弁を弄されてもねえ。

今回の安保法案については、まともな議論の展開が全然ないです。

野党が問題点を指摘すると、与党ははぐらかしたり直答をさけたりし、厳しく追及されると答弁を二転三転させる。

『議論は全く尽くされていない』というのは、国民の総意だと思う。
だからこそ、直近の世論調査でも「政府の説明は十分でない」が82%なのです。

こんな状態で一方的に質疑を打ち切るなんて、『国民を愚弄する、裏切り行為』以外の何物でもないです。

私は、法案に反対する党や国民こそ、正道をゆく美しい人々だと感じます。

維新は、大阪系(橋下派)と縁を切り、明確な法案反対派になりましたが、私は高く評価しています。

橋下徹さんは、改革派を自称しているが、古い体質をひきずり戦前の体制に戻そうとしている安倍首相と、手を結ぼうとしている。

橋下さんは、大阪都構想の住民投票で敗れたのに、敗れた後の会見で「この敗北を受け入れて、これからは対立をさけて府民のために尽くす」と言ったのに、態度を変えた。

驚く事に彼は、「大阪都構想の実現をもう1度目指す」と言い始めてます。

あれほど大掛かりな投票で、民意が示された(否決された)というのに。
「この敗北を真摯に受け止める」と言ったのに。

こんな人物を長く支持してきた大阪の人々は、深く恥じなければなりませんよ。

彼の『自分の言葉に責任を持とうとしない体質』『平気で嘘を連発する体質』は、実に深刻です。
縁を切った維新の国会議員たちは、英断をしたと思います。

話を不信任動議での演説に戻しますが、山本太郎さん(生活の党)はかなりの時間にわたって演説し、こう指摘しました。

『安倍政権の行っている政策はどれも、アメリカの要求を丸飲みしたものだ』

彼のこの指摘は、100%正しいと思います。

多くの日本人がこの事実に目をつぶったり、誤魔化して「日本のためだ」と強弁する中で、山本さんの勇気は賞賛に値する。

私は、最近の山本さんの活動を高く評価しています。
日本でも屈指の政治家になりつつある。

彼は議員になりたての頃は「大丈夫かよ」と思わせましたが、実に勉強をしています。
今ではもの凄い存在感を国会などで発揮しており、彼の政治理念と情熱を見るにつけさらに飛躍していくのは間違いないです。

私は安保法案の国会論争を見てきて、「反対している勢力(廃案を求める勢力)こそが『光の勢力』だ」と確信しました。

彼らの表情や発言を見てほしい。
そこには誠意や愛情や国民に寄りそう態度があるでしょう?

ぜひ、表情や言葉を、自公の議員や支持者と比べてほしい。

国民の多くが「この法案が成立するのには賛成できない。問題があると思うし、不安に感じている」と言っています。

その切実な声に耳を傾けない人々が、安全だの国民生活を言う資格はない。

先日には大雨が続き、鬼怒川が決壊する等の大規模な災害が発生しました。

死者も多く出たし、鬼怒川の決壊では1万世帯以上が被災しました。

本来ならば政府および国会は、安保法案の審議を中断して、被災地や被災者の支援に全力を注がなければならない状況です。

安保法案を最優先にしている時点で、安倍政権には「国民生活を守る意思」は無いです。

目の前にいる困窮した国民を放置して、安全保障を論じるんじゃない!

「安全保障のことは政治家が決める事だから、学者や国民は黙っていろ」と自民党の高村正彦さんらは言うが、驕りも甚だしい。

「無能なお前らに任せられるはずがないだろう! 優先順位も分からないくせに、偉そうな顔をするな。」と思います。

話を本日の国会に戻します。

参院の鴻池委員長は、自身の不信任動議が否決された後に、すたすたと委員長席に戻った。

すると、すぐに自民党議員たちが委員長席に走り寄り、鴻池さんを囲んでスクラムを組んだ。
そして野党議員が近づけないようにした。

そうして、自民党議員にがっちり囲まれて、身体の小さい委員長は完全に見えなくなってしまった。

委員長がどんな言葉を発しているか、マイクが拾わないので全く分からない状態なのに、囲んでいる自民党議員が合図をして、『強行採決』が突然に始まった。

野党の人々には、採決がこれから始まることは、いっさい知らされていない。
こんな議事の進め方は、一般社会ではあり得ないことです。

TV中継を見ていた私には、委員長の発言は一言も聞こえませんでした。

私には、国会で乱闘が起きている様にしか見えず、採決をしているとは到底見えなかった。

野党議員も国民も不在の状態にして、与党の議員と法案に賛成する3つの野党だけで無理矢理に採決をしてしまう瞬間を、私たちは目撃したのです。

これだけ重要な法案を、こんな暴挙で採決するなんて。

野党は「この採決は正当性のないものだ」と主張していますが、尤もなことです。

私の感覚でも、採決と呼べないめちゃくちゃなものだったし、生中継を解説しているNHKのアナウンサーですら「おそらく採決しているものと思われます……。」と困惑し絶句してましたよ。

安倍晋三らは、完全に国会を愚弄している。

つまり、日本国民をバカにし、踏みにじっている。

こんな事を許していてはいけない。

デモの参加者が増え続けているのも、あらゆる世代や職業の人が「反対」を公に表明しているのも、当然だと思います。

重要な事は、『安倍晋三らがこの法案を成立させようとするのは、国民のためではなく、アメリカの要請に応えたり、財界の要請に応えるためだ』という真実です。

最初の方にも書きましたが、こんな欠陥だらけで、違憲との意見が大勢を占め、国民の大多数が説明不十分と述べ、自衛隊員らを危険に晒すことが明白なのに、法案を通そうとする勢力は、「国民の敵」だと私は感じています。

山本さんは数日前に国会で、安倍首相のことを「日本の主権をアメリカに売り渡す売国奴」と呼びました。

言い過ぎだと鴻池委員長は怒りましたが、私はそれを見て「本当の事を言っただけじゃないか。山本太郎、君は勇気のある本物の男だ。」と拍手を送りましたよ。

日本を売り渡して権力を確保・維持しようとしたのが、安倍晋三の祖父である岸信介です。

岸はアメリカCIAと交渉し、「アメリカが裏金やメディア・コントロールで支援して自分を首相にする換わりに、アメリカの要求に応えて安保条約の改定を成立させる」と約束しました。

この事実は、『CIA秘録・上巻』に書かれています。

先ごろに読んだ『阿片王』(佐野眞一著)では、「戦中の満州でアヘンを密売していた里見甫が、手を組んでいた官僚が岸信介であった」と書いてあります。

岸はアヘン密売を国策として主導した人物の1人で、そこから得たカネ(不法なカネ)をばら撒いて出世していった。

私が驚いたのは、「東条英機を首相にするため、岸がカネを渡した。岸は東条のパトロンだった。」と同書に書かれていた事です。

岸は、こうした数々の倫理観ゼロの行動から、「昭和の妖怪」と呼ばれてました。

祖父と全く同じ道を歩み、安倍晋三は『日本の平和・立憲主義・自衛隊員の命・国民生活』をアメリカに売り渡そうとしている。

自分の地位を守り、私欲を満たすために、アメリカの要求を丸呑みして、日本国民を危険にさらす事を行っている。

自衛隊とアメリカ軍が共同で訓練などをする事について、「自衛隊の能力が高まる」と安倍派の軍事専門家は言う。

だが、中米の現代史を勉強してほしい。
アメリカ軍は、中米諸国の軍隊に訓練を施し、自分の言いなりになる軍を作り上げて、いざとなったらその軍隊を使ってクーデターをしてきた。

このままだと、自衛隊はアメリカ軍にさらに取り込まれて、『アメリカの為に働く軍事組織』になる可能性が高いです。

自衛隊の高官がアメリカの軍事学校に留学する慣例ができて、アメリカ軍の高官と親しくなっていったら、アメリカの手先となって独裁軍事政権をつくった中米の将軍らと同じ条件が揃う。

自衛隊のトップが昨年の12月に訪米し、「安倍自民党が衆院選で勝利したので、来年の夏には新しい安保法制が成立する」とアメリカ軍の高官に伝えました。

これは、安保法案が国会に提出される遥か以前の事で、安倍が新内閣を組閣する前です。

私はこの事実を知った時、「こんな状態が続けば(自衛隊高官の暴走を放置し続ければ)、自衛隊は日本国民の脅威となる(アメリカの為に働く組織になり、いざとなったら日本人に牙をむく)可能性が高い」と、非常に危機感を持ちました。

日本国民は、『日本はアメリカの占領下にあること』と、『アメリカの手先として働く傀儡政治家&傀儡官僚が国政の場にたくさん居ること』を、きちんと自覚しなければいけません。

ここから目を逸らして「アメリカ軍のニーズに応えれば、日本の安全は担保される」といった嘘を信じている限り、いつまでも国民の安全は脅かされますよ。

「日米同盟を解消して中立主義を採るなら、日本が安全を担保するには20兆円以上の軍事費が毎年かかる」と、軍事アナリストを称する小川和久さんは、本日のTV番組で言っていました。

いったい何を根拠に、そんな数字を弾き出しているのか。

いいですか、ロシアの年間軍事費だって10兆円なんですよ。

あの広大な陸地を有する軍事大国だって10兆円なのに、なんで日本が20兆円以上も必要なのか。

嘘をつくなよ、小川和久。
こんなアホな話で国民を騙せると思うな。

フィリピンの年間軍事費は、600億円です。

さすがにそれだと中国に舐められて圧力をかけられてますが、それでもフィリピンはアメリカ軍の駐留を無くしていたのに中国から攻め込まれていませんよ。

年間5兆円の軍事費を支出している日本が、専守防衛を貫いても安全が担保できないはずがない。

私に言わせれば、安倍を支持する(今回の安保法案を支持する)軍事専門家は、日本の軍事力を理屈抜きに強化したい連中です。

きちんとした分析をしたら、日米同盟が無くても日本の安全保障は成立すると結論を出せますよ。

むしろ日米同盟が無くなれば、アメリカとも中国ともロシアとも対等に話し合えるし、建設的な議論ができます。

小川和久さんもそうなのですが、日米同盟強化を推す人は皆、議論になると「アメリカ軍の要望に応えよう。アメリカ軍と一緒にやっていくのが、安全保障の正しい道だ。」と呪文の様に云うのです。

なぜそれほどアメリカ万歳を連呼するのか。
びびってるのか、アメリカに?

アメリカの現代外交史を学べば、『とんでもない暴挙を連発してきた、世界一の危険な国』と分かるでしょう。

軍事を専門に勉強していれば、アメリカの危険さはさらに分かるはずです。

もう、「アメリカ様、万歳」と唱える根性なし達には、うんざりだ。

アメリカに対して正面から意見を言える、本物の政治家や学者を育てなくてはならない。

山本太郎のような、気合の入った人間を、国政にどんどん送り込もう。
彼には根性があるよ。安倍晋三の1000倍はあるな。


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