タイトル女子バレーボールのオリンピック最終予選
前半4試合の感想
(2016.5.19.)

女子バレーボールのオリンピック出場をかけた最終予選が、14日から始まりました。

日本代表は、ここまで4試合をこなし、3勝1敗で4位につけています。

4位までオリンピックに出場できるので、ギリギリの位置にいます。

開幕前に評論家の中には、「日本は全勝の可能性もある」と言う方もいた。

私は、「それは無いだろう、1敗はするはずだ。選ぶメンバーが良ければ、1敗で抑えられるかな。」と考えてました。

初戦での注目点は、『どの選手をベンチ入りさせるのか、誰をスタメンにするのか』でした。

合宿に参加した選手たちから、眞鍋監督らは最終的にどの選手を起用するのか。
そこを凄く気にかけていた。

で、確認したところ、ベンチ入りした14人には基本的に納得できました。

セッターは宮下と田代、リベロは佐藤あり紗と丸山、ミドルブロッカーには荒木と島村と山口で、合宿参加メンバー中で質の高い選手が選ばれていたからです。

ウイングスパイカーについては、4月13日の日記でも書きましたが、レシーブの上手い選手が漏れているので不満を持っています。

ただし、宮部が外れるなど、「まあまあ納得できるな」と思える選考でした。

私が驚いたのは、『座安さんが選ばれており、それもリベロ登録ではなく一般登録だったこと』です。

座安は、Vリーグで屈指のリベロだが、合宿メンバーから漏れていた。
だから居ないはずなのに、居たからびっくりした。

試合中の解説で判明したけど、彼女は合宿の途中で急遽呼ばれたとのことです。

すばらしい選手だから、呼ぶのは分かるが、リベロ登録でないのは不可解でした。

で、試合が始まってみると、座安は古賀が後衛に回ると交代して、守備固めで起用された。

私は4月13日の日記でも強調しましたが、『古賀のレシーブ力』を信用していません。

それを代表スタッフも理解して、古賀が後衛の時は外して、レシーブの上手い座安に代える策をとったのです。

この起用法には、心底から感心しましたね。

「その道を選んだか。ウイングスパイカーのレシーブ力が弱いのを、このやり方で解決したか。」と、脱帽した。

実際に、ここまでの4試合で、座安さんは守備で大貢献している。

出場した時は、スーパーなレシーブを連発していますよ。

『佐藤あり紗と座安が一緒にコートに立ち、横に並んで守備を担う姿』に感無量でした。

本当に美しい情景で、「その映像を切り抜き、額に入れて自室に飾りたい」とまで思った。

バレーボール・ファンじゃないと理解できないと思いますが、これは夢の組み合わせなのです。

日本最高のリベロである2人が、同時にコートに立ち仲良く守備をするなんて、想像した事すらなかった。

座安さんは、怪我を抱えており、今でも太ももにテーピングをしている。

だから、長時間のプレイをさせずに、古賀らの代わりに短時間の守備をするのは、素晴らしいアイディアですよ。

この起用については、褒め言葉しかない。感服いたしました。

初戦と第2戦は、日本は安定感のある良い闘いぶりを見せました。

相手が弱かったのもあるけど、サーブ、レシーブ、ブロックが好調で、安心して観ていられた。

初戦は、宮下さんのトスの組み立ても、すばらしかった。

だが、第3戦(対韓国)と、昨日の第4戦(対タイ)は、ひどい出来でした。

特にタイとの試合は、格下相手に負ける寸前まで行く、最悪の試合でしたよ。

韓国戦でも言いたいことはあるけど、相手がかなり強いから、まあいい。

ここからは、『昨日のタイ戦』について書きます。

この試合では、フルセットまでもつれ込み、5セット目では相手に大幅にリードされてしまった。

最後には劇的な逆転勝利をしたけど、それを褒める気持ちはいっさい起きません。

私はタイ戦を観ている間ずっと、「日本のほうがはるかに質の高い選手を揃えているのに、何をやっているんだ」とイライラしていましたよ。

「この相手にシーソーゲームをするなんて、お前らアホか」と思った。

どうみても日本の方が、選手たちの能力は上なのに、一進一退の攻防をしている。

全く不必要な場面で、「ハラハラ、ドキドキのドラマ」を演出している。

「そんなドラマ、要らないんだよ!!!」と、監督と選手全員に怒鳴りたかったです。

本当に、心臓に悪い試合だった。

もしここで負けたら、オリンピック出場はかなり厳しくなる。
そんな試合なのに、ミスが続出していた。

私は、ベンチ入りした14人の能力の高さを知っているが故に、不甲斐ない闘いぶりに我慢がならなかった。

「お前ら……」と、激しい怒りが湧いてきた。

もし私が監督だったら、タイムアウト中に、

「バカやろう!
 格下相手に、シーソーゲームをしているんじゃない!

心臓に悪いだろ! 俺を病気にする気か!

ちゃんとプレイしろ!」と怒鳴りつけてますよ。

タイ戦で大苦戦した最大の原因は、『木村のスパイク・ミス』と、『宮下の拙いトス・ワーク』でした。

前者はスパイクを決められず、後者はトスが単調で精度も低かった。

木村さんは、試合の途中から出てきたが、スパイクの決定率がめちゃくちゃ低かった。

連続で5~6本も決められない場面すらあった。
4セット目の途中までは、スパイク決定率は15%くらいだったのじゃないか。

私は観戦しながら、「なぜ木村を下げないんだ?」と、ずっと思ってました。

最後の方で少し決めたから、大手メディアはそれを大きく取り上げて、「やっぱりエースの木村が活躍した」と語っている。

だが、実際には『迫田が活躍した』のです。

苦しい時には迫田が決めていたし、決定率は40%を超えていた。

ここまでの4戦をちゃんと観ている人なら、誰でも分かっていると思いますが、スパイカーで活躍しているのは、長岡と迫田と石井です。

木村も古賀も、決定率が低いし、得点数も平凡です。

この状況は、しごく当然です。

今シーズンのVリーグで最も活躍したスパイカーは、長岡と迫田でした。
石井は、レシーブは下手なのですが、スパイクは素晴らしい選手です。

ちゃんと現在の女子バレーボール界を見ている人なら、『今の日本では、エースは長岡と迫田だ』と知ってますよ。

それなのに、勉強不足でバカなメディア達が、「木村と古賀が2大エースだ」と煽っている。

今大会でも、1~3戦目で最も得点をしたのは長岡で、活躍は傑出しています。

それなのに、大手メディアはほとんど無視している。

長岡が50%の決定率で10本のスパイクを決めていても、木村が20%の決定率で2本のスパイクを決めただけで「やっぱり木村が一番」と褒め称える。

公平さのかけらも無い、最悪の報道姿勢ですよ。

「木村と古賀が2大エース」というメディアの流す情報は、完全な嘘です。

安倍政権の唱える、「景気は順調に回復している」というのと同じ位の、悪質な嘘ですよ。

私は、「そのうち大手メディアも改心し、誤りを認めるだろう」と思っていた。

だが、いつまで経っても改めようとしない。

さすがに忍耐の限界にきた。
「こいつら、クズだな」と、キレ始めてます。

メディアが嘘を垂れ流しても、害が無ければまだいい。

だが、タイ戦を見ていて、「深刻な被害が出ている」と気付いた。

というのも、眞鍋監督もセッターの宮下も、木村のスパイク決定率が低いのに、試合に出し続けたり、トスを上げ続けたりしていた。

「木村がエース」という情報(誤報)が頭に刷り込まれているため(洗脳されているため)、判断ミスをしているのです。

本来なら、彼らはバレーボールの専門家なのだから、メディアが「木村がエース」と煽っても、「いや、エースは長岡や迫田だ」と冷静に見極めなければならない。

しかし、残念なことに、メディアの情報操作に幻惑されて、真実を見失っている。

ここで、はっきりさせましょう。

現在の日本代表のウイングスパイカーのスパイク能力は、こうです。

1位 長岡  2位 迫田  3位 石井  4位 木村  5位 古賀  6位 鍋谷

この序列を、監督とセッターは頭に叩き込んでほしい。

セッターは、まず長岡と迫田を視野に入れ、マークが薄ければ必ずそこに上げる。

次に重視するのは、石井。

木村と古賀は、1~3位がマークされていたら、使えばいいのです。

この順番を間違えて、大事な場面で木村や古賀にトスを上げるから、日本は苦戦するのです。

宮下さんは、「木村キャプテンを尊敬しているし、憧れの存在です」と語っているが、その情に流されている。

メディアが「エースは木村と古賀」と云うから、若くて単純な宮下は、大事な時にその2人にトスを上げてしまう。
そしてスパイクは決まらず、苦境になっている。

バカなメディア達が嘘の情報を拡散している事から、こんな深刻な被害が出ているのです。

深く反省してほしい。私は本当に怒っています。

現状だと、迫田は長岡のバックアッパーの位置づけらしい。

しかし、日本のエースはこの2人なのだから、2人が同時に出られるように配置を変えたほうがいいです。

実は、もう1人、エースになれる実力を持つ選手がいる。

それは、惜しくもメンバーから漏れて、スタッフ席で試合を見守っている「江畑さん」です。

江畑は、絶好調ならば長岡と並ぶレベルのスパイカーです。

上記の序列で言うと、2位か3位には入れる選手。

正直な話、彼女は海外リーグにいたりVリーグの2部にいたりして、最近のプレイを見る機会がない。

今のコンディションを知らないのですが、少なくとも木村や古賀よりも良質のスパイカーですよ。

次に、『宮下さんの拙いトス・ワーク』についてです。

これは深刻で、タイ戦では2~3セット目から、彼女のトスは乱れまくっていた。

打ちづらいトスが来ているのに、身体をうまく使ってきちんと得点している迫田と石井を見て、「えらいよ、君達は」と嬉しくなりました。

迫田さんと石井さんは、今シーズンのVリーグで大きく成長した。

昨年W杯の時の2人だったら、あのトスでは決められず、うなだれていたでしょう。

精度のないトスばかり上げる宮下さんを見ていて、「控えの田代と替えるべきだ、なぜ替えないんだ」と思った。

「田代が監督から呼ばれた」とのベンチサイドからの報告があった時、「少し遅れたが、正しい判断だぞ」と思ったのに、なぜか交代は無かった。

おそらく監督は、田代さんが今まで代表経験が無いのを、不安視しているのだと思う。

だがそれならば、経験豊富なベテランでW杯で正セッターをした古藤を選ぶべきじゃないか。

田代の能力を買って選んだのだから、宮下の調子が落ちてきたら使わないと。

田代をずっと使う必要はない。

田代に替えてみて良いプレイをしたら出し続ければいいし、いまいちなら宮下を少し休ませてから再び入れればいいんですよ。

基本的に、今回選ばれた14人は、とてもレベルの高い選手たちです。

(1~2人については、もっと良い人に入れ替えられると考えてはいますが)

だから、疲れてきた選手や、調子の落ちている選手は、遠慮なくベンチに下げればいいんです。

第3戦では、リベロの佐藤がレセプションでミスを連発したため、丸山に替えた。
あの判断は、とても正しかったと思う。

控えに質の高い選手が揃っているのだから、特定の選手に固執する必要はないです。

「エースは木村と古賀」とか「正セッターは宮下」との低レベルの情報に惑わされず、的確な起用をしましょう。

話を『宮下さんの拙いトス・ワーク』に戻すと、「ミドルブロッカーに全然トスを上げない」のに腹が立っています。

試合が緊迫してくると、宮下はミドルブロッカーの存在を忘れてしまう。

この悪癖は、彼女が岡山シーガルズでプレイしている時にも、しょっちゅう見られます。

私は以前から、「宮下はゲームの組み立てがいまいち」と言ってきましたが、その主な原因は「ミドルブロッカーの軽視」です。

タイ戦では(宮下が出場する他の試合でも同じですが)、試合が佳境に入ってくると、宮下はサイドにばかりトスを上げるのです。

「ミドルブロッカーが空いているじゃないか、ちゃんと見ろよ。あそこに上げれば、有利な展開になるのに。」と、何度も何度も思った。

島村は、とても良いスパイクを打てる選手なのに、宮下が良いタイミングで上げないのと、トスの精度が悪いので、活躍できていない。

宮下とは反対に、田代はセンター攻撃をよく使う選手です。
ミドルブロッカーの存在を忘れることはない。

だから、宮下で行き詰ったら、田代を出すのは有効だと思います。

せっかく持ち味の違うセッターが居るのだから、田代を育てる意味も込めて使ったほうがいい。

次に、リベロの佐藤さんについてです。

彼女は、タイ戦では積極性を欠いて、実力を発揮できてなかった。

私が許せないのは、『正リベロという守備の要を任されているのに、守備でリーダーシップを取らないこと』です。

古賀や石井という、レシーブ技術に問題のある選手が隣にいる時は、相手を弾き飛ばしてでも自分がレシーブしろよ。
それ位の積極性を見せてほしい。

石井が隣にいて、飛んで来たボールが石井よりも自分の方に近いのに、石井に譲るのを見た時、「お前、何をやってるんだよ」と呆れましたね。

佐藤さんは、総合力では日本一のリベロです。

凄い実力があるのだから、代表でも日立リヴァーレでやる時みたいに守備の中心になれ。

佐藤は、すごく真面目でサボらない人ですが、「お嬢様タイプ」で苦境に弱い所があるんですよ。

座安と丸山が「雑草タイプ」で、どんな時でも淡々と同じプレイができるのと、対照的です。

佐藤さんは、苦しい場面になると無口になり、味方とコミュニケーションしなくなる癖がある。

だが、代表の正リベロがそれではまずい。

年齢的にも中堅なのだから、がんがん声を出して、チームメイトを動かさないと。

彼女は責任感が強いし、言えばきちんと理解できる人です。

だから監督が、「お前が正リベロで守備の中心なんだから、きちんと責任を持って味方に指示をしろ」と言うべきです。

キャプテンの木村さんは、リーダーシップを発揮できない(その能力のない)人です。

タイ戦で相手にリードされ、負ける寸前になっている時でも、困ったような薄笑いしかしていなかったでしょう?

現状だと、リーダーシップを発揮してコート上のチームメイトを落ち着かせられるのは、座安さんと荒木さんしかいない。

特に座安の統率力は際立っていて、彼女がコートに入ると日本の動揺が鎮まる。

座安は短時間のサポート・レシーバーなのだから、他の選手たちもリーダーシップを発揮しなければいけない。

佐藤や島村は、所属チームでキャプテンをしており、統率力を持っています。
(山口もキャプテンをしているが、彼女には無い)

長岡や田代も、所属チームで実質的なキャプテンみたいな立場にいる。

荒木は、かつて代表のキャプテンを任されていた人です。

要するに、やろうと思えばチームをまとめられる選手は、何人もいるんです。

その選手たちに、言いたい。

「木村にリーダーシップを期待するな。

木村は『癒し系のぬいぐるみ』だと認識して、君達がチームを引っ張るんだ。

遠慮せずに、ガンガン発言しろ。
そのほうが、木村も助かる。」

私はサッカー・ファンでもあり、もう25年くらいサッカー観戦を続けてきましたが、W杯で優勝するような偉大なチームは、『3人くらいチームを引っ張る選手がいる』のです。

キャプテン以外にも、チームをまとめ上げる存在が、最低でも1人は居る。

木村キャプテンにまとめ上げる力が無いのだから、他の選手たちが、それも複数の選手がキャプテンシーを発揮しましょう。

木村さんは、ドラクエの職業でいうと、商人や遊び人なんですよ。

商人や遊び人を、パーティの中心に据えますか?

今代表の選手全員を、分かり易くドラクエの職業で説明しましょう。

勇者は、長岡と座安。
この2人が、チームの核です。

島村と荒木が、戦士。

迫田と石井が、武闘家。

佐藤と丸山が、僧侶。

宮下と田代が、賢者。

山口と鍋谷が、魔法使い。 

木村と古賀が、商人。

マスメディアが木村と古賀を持ち上げているのは、商人らしい愛想の良さと要領の良さに魅かれているからです。
実力とは、何の関係もない。

これが真実です。

上記の分類は、強引な分け方ではありますが、大筋において当たっています。

これで分かり易くなったでしょう。

最後になりますが、私の予想通り、日本はレシーブで苦戦していますよね。

座安を入れたのは妙策だったと思いますが、新鍋や竹田というレシーブ力に優れていてスパイクも打てる選手を入れるのも検討してほしいです。


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