安倍政権を見極める㉗
安倍にへつらうジャーナリスト② 山口敬之(レイプのもみ消し)
(2017.7.23~28.)

しばらく前に、「売れっ子ジャーナリストの山口敬之に私はレイプされた」との告発会見がありました。

テレビで報じられたので、憶えている方もいるでしょう。

この告発会見の特徴は、『被害者が実名(下の名前の詩織のみ公開)と顔を晒した』のと、『山口には逮捕状が出たのに、権力の介入でもみ消されたと語ったこと』です。

私はこの件について少し前にリテラを通じて知っていたので、興味深く報道を見たのですが、世間に訴え出た詩織さんの覚悟にまず心が動かされました。

自分がレイプされたと顔出しで言う事に、どれだけの勇気が必要か。
「すごい人だ」と感銘を受けました。

衝撃的な出来事だったのですが、予想どおりというか、すぐにテレビでは報道されなくなりました。

ぶっちゃけた話、山口氏を重用してきたニュース番組はいくつもあり、この事件は『いかに大手メディアに人を見る目がないか』を明らかにしたものでもありました。

これを報じていくと、「山口を起用してきたメディア達って、どうなの?」と視聴者に思われてしまう。
自分達の責任も追及されるので、掘り下げないことにしたのです。

山口氏は詩織さんの会見後に行方をくらまし、全くテレビ・メディアに登場しなくなっています。
だが、それで決着させていいのだろうか。

そもそも彼は、政治情勢の解説者(安倍政権の内情に詳しいジャーナリスト)として活動していたが、語る内容がひどかった。
伝える情報、その解説、言葉使い、どれも質が低くて、見苦しいのは前回の記事で取り上げた田崎史郎よりも上でした。

それなのに大手メディアで起用され続けていたのは、安倍首相のお気に入りのジャーナリストだからです。

こういう権力におべっかを使う人事は、間違っていると強く言いたい。

私は詩織さんの勇気にほとほと感心したので、この事件を忘れていません。

幸いなことに愛読しているリテラは、この事件を何回も取り上げています。それを勉強することにしました。

ノートにまとめたので、紹介します。

(以下はリテラ2017年5月10日の記事から抜粋)

本日発売の週刊新潮には、安倍首相の太鼓持ちジャーナリストである山口敬之の行ったレイプ事件が掲載された。

このレイプが起きたのは、2015年4月。

被害女性(詩織さん)はアメリカでジャーナリズムを勉強しており、当時はTBSのワシントン支局長だった山口と面識があった。

女性は日本に帰国後、山口から「仕事を紹介するから」と誘われて食事に行った。

ところが酒豪の彼女は、2軒目の寿司屋で記憶を失った。

そして明け方の身体に痛みを感じて目が覚めると、ホテルの一室で裸にされており、仰向けの身体の上に山口がまたがっていた。

逃げ出そうとすると、乳首からは血が流れており、その目に避妊具を付けていない山口の陰茎がとびこんできた。

彼女は言う。

「酔って記憶をなくした経験は一度もありません。薬を入れられたのだと思います。」

週刊新潮は、2人をホテルまで乗せたタクシー運転手の証言を得ている。

「女性は何度か『駅の近くで降ろして下さい』と訴えていたの
 ですが、男性が『何もしないからホテルに行って』と。

 それで2人をホテルに連れて行ったのですが、彼女は降りよう
 としませんでした。

 最終的には彼女は身体ごと抱えられて、座席から降ろされた
 んです。」

2人のメールのやり取りも公開されている。

そこでは妊娠を心配する彼女に、山口は「精子の活動が著しく低調だという病気です」と中出しの言い訳をする返信をしている。

さらに注目したいのは、その後の展開だ。

女性は警察に訴え出て、山口に逮捕状が出されたが、逮捕寸前で潰されたのだ。

捜査に動いたのは高輪署で、監視カメラや証言から容疑が濃厚になり、2015年6月に逮捕状が出た。

そして山口がアメリカから帰国する6月8日には、成田空港で警察が逮捕するために待ち構えた。

ところが上層部からストップがかかった。
それを決めたのは、警視庁の中村格・刑事部長だ。

中村は、第二次安倍政権の発足時に菅義偉・官房長官の秘書官をつとめ、「菅の片腕」といわれる警察官僚だ。

山口敬之は、TBSの記者だった時期から、一緒に靖国神社に参拝するなど安倍晋三とズブズブの関係を築いてきた。

2015年には、週刊文春にTBSに無断で記事を発表し、それがきっかけでTBSを退社した。
そして幻冬舎から安倍首相のPR本『総理』を出版し、評論家デビューをした。

このレイプもみ消し事件は、森友学園と同じで身内を特別扱いする安倍政権だから生まれたものだ。

(以下はリテラ2017年5月7日の記事から抜粋)

山口敬之は、TBSを退社してからは幻冬舎から安倍PR本を2冊も出し、安倍首相や官邸幹部と頻繁に会食やゴルフをしてきた。

彼は森友問題が盛り上がると、北朝鮮危機を煽り、国民の目をそっちに逸らそうとした。

そして「北朝鮮危機なんて無いという評論家は、絶対に2~3年以内に北朝鮮に行っている。そこで接待を受けている」との嘘を、ネット番組で語った。

(以下はリテラ2017年5月16日の記事から抜粋)

山口敬之のレイプ事件を週刊新潮が報じると、山口は海外出張という名目で逃亡した。

彼を起用してきたテレビ局は、完全に切り捨てに走っているという。

その一方で、官邸は山口に救いの手を差し伸べるという情報もある。

全国紙の政治部記者

「身内や味方にめっぽう甘く便宜を図る安倍首相だから、
 そのまま切り捨てることはないでしょう。

 山口氏は、以前は麻生さんの紹介でアメリカのシンクタンクの
 研究員をやっていた事もあるし、海外でポジションを与えて
 ネトウヨ番組で復帰させるパターンを考えているんじゃない
 ですか。

 いま海外にいるのも、官邸の助言かもしれません。」

(以下はリテラ2017年6月2日の記事から抜粋)

山口敬之の逮捕をもみ消した中村格は、第二次安倍政権の発足時に菅・官房長官の秘書官をつとめ、菅から信頼を得ている人物だ。

この中村について、「I am not ABE」発言で報道ステーションを降板させられた古賀茂明が、「番組放送中に官邸から抗議のメールを寄せたのは、中村氏」と証言した。

古賀は新著の中で、こう書いている。

「I am not ABE発言の直後、番組放送中に中村格・官房長官
 秘書官から編集長の中村直樹氏に電話があった。

 中村編集長が電話に出ないと、今度はショートメールが入った。

 そのメールは、古賀は万死に値するといった内容だったそうだ。

 この日、菅と中村は一緒に官邸で番組を見ていたそうだ。」

中村格の脅しにより、古賀は2015年3月27日の放送を最後に降板となった。

中村はその4日前に、官房長官秘書官から警視庁・刑事部長に異動となっている。

そして翌月3日に山口敬之のレイプ事件があり、同年6月8日に中村は山口の逮捕をもみ消した。

中村は16年8月22日付で組織犯罪対策部長へ昇進している。

もし共謀罪法案が可決されれば、彼がトップにいる組織が公安と連携して取り締まりを行うと見られている。

(以下はリテラ2017年7月5日の記事から抜粋)

山口敬之のレイプ事件では、被害者の詩織さんが実名かつ顔出しで記者会見し、真相究明を訴えて検察審査会に不服申し立てを行った。

大手メディアは会見直後は報じたが、そのままフェイドアウトした。

ネットでは逆に、安倍の応援団たちが詩織さんのプライバシーを暴き、「売名行為だろう」「左翼の回し者だ」といった悪質な人格攻撃をしている。

当の山口は雲隠れし、フェイスブックで反論するのみだ。

ここにきて、重要な証人が現れた。

7月3日放送の『大竹まことゴールデンラジオ』に出演したジャーナリストの清水潔は、レイプ発生からあまり日が過ぎていない2015年7月の段階で、詩織さんから相談を受けていた事を明かしたのだ。

清水は、独自の調査で桶川ストーカー殺人事件などで警察や司法の嘘を暴いてきた人物だ。

彼は番組の中でこう語った。

「詩織さんが記者会見された時に、ネットなどで『安倍政権に
 対する攻撃じゃないか?』『本当の話なのか?』みたいな声が
 挙がった。

 私はこの事件を、2年前から詩織さんから直接に相談を
 受けていたんです。

 相談を受けたのは15年7月末で、(山口氏が)逮捕され
 なかった時から1ヵ月くらい後でした。

 その時の彼女の説明は、いま言っていることと全く同じ
 なんです。」

つまり詩織さんは、レイプ事件から3ヵ月後に言っていたことと現在とが首尾一貫しているのである。

そもそも山口敬之がレイプ事件を起こしたのは、TBSのワシントン支局長だった時期(2015年4月)だ。

詩織さんは山口から誘われて食事に行き、2軒目の寿司屋で突然に目まいを起こして意識を失い、ホテルでレイプされた。

詩織さんは警察に訴え、ホテルの防犯カメラに山口が詩織さんを引きずる模様が収められていたこともあり、本格的に捜査が始まった。

逮捕状が出され、15年6月8日に複数の捜査員がアメリカから帰国する山口を成田空港で待ち構えた。

ところが、警視庁から逮捕のストップがかかり、山口は寸前で逮捕を免れた。

これは異例中の異例だった。

その後に山口は、安倍首相をヨイショする本『総理』を出版し、コメンテーターとしてテレビに盛んに登場するようになった。

レイプ事件を聞きつけた週刊新潮は、詩織さんに取材し、様々な証拠をつかんだ。

その中で決定的だったのは、菅・官房長官の右腕といわれる警察官僚の中村格から「私が決裁した(逮捕を取り消した)」と聞いたことだ。

清水潔

「DNA鑑定も行われていて、山口氏がレイプしたのは科学的
 にも証明されている。

 その上でとった逮捕状が、直前に取り消された。

 その経緯が明らかになるのに、2年の月日がかかったんですよ。」

詩織さんの会見は、安倍サポーターの言う売名や政治利用ではない。

山口敬之に不起訴の決定が下ったのは、2016年7月だったが、彼が処女作の『総理』を出版したのはそれより前の6月9日だ。

つまり彼は、不起訴になる前に(書類送検中に)安倍ヨイショ本を出している。

作家の中村文則は、毎日新聞・愛知版で疑問点に言及している。

中村

「『総理』は、表紙に安倍首相の写真が使われている。

 写真の使用許可がいるから、首相周辺は確実に出版を
 知っていた。

 この出版は奇妙だ。
 なぜなら、このとき彼はまだ書類送検中だからだ。

 しかも『総理』発売の13日後は、参議院選挙の公示日だった。
 安倍を応援する本を、なぜ山口氏は起訴されるかもしれない
 状態で刊行できたのか。

 山口氏は、絶対に起訴されないと知っていたように思えて
 ならない。

 普通ならば、不起訴が決定するまでこの種の本は刊行
 できない。」

裏で官邸が動いて、不起訴になるように持っていった可能性がある。

このレイプ事件は、不自然なことや不可解なことがいくつもある。
徹底的に追及する必要がある。

(以下はリテラ2017年5月20日の記事から抜粋)

週刊新潮の5月25日号に、山口敬之のレイプの第二弾記事が載った。

ここでは山口が被害女性に送ったメールの数々が公開され、山口の弁護士が示談を求める姿勢を見せたことも伝えている。

注目すべきは、『山口が首相官邸の内閣情報調査室に相談していたこと』だ。

その相談時のメールは、文面はこうだ。

「北村さま、週刊新潮より質問状が来ました。

 〇〇の件です。取り急ぎ転送します。(〇〇の所は詩織さんの
 苗字が記されている)

 山口敬之」

宛名の北村とは、北村滋・内閣情報官である。

彼は諜報機関である内閣情報調査室のトップで、安倍首相の片腕的な存在だ。

このメールからは、山口と北村が旧知で親しいこと、レイプについて情報共有していた事がうかがえる。

北村は元エリート警察官僚だが、こんなメールを送ったところを見ると山口はレイプした直後の時点でも相談していた可能性が高い。

両者がここまで親しいのならば、山口がテレビ等で発言する内容には内調の意向が働いていると考えるべきだろう。

北村滋は、日本版NSCや特定秘密保護法の策定に深く関わった人物で、内調トップに就任後は安倍政権のために謀略情報を拡散するようになった。

内閣情報官の首相への定例報告は、従来は週1回くらいだったが、安倍首相は毎日のように北村と会っている。

安倍が左翼陰謀論を主張し、共謀罪法案の成立に動き始めたのも、北村の存在が大きいという。

一方、山口敬之はテレビに出まくって、官邸の代理人として発言してきた。

彼はデマの拡散を担っており、森友問題では辻元清美議員をめぐるデマや共産党と籠池理事長が結託しているとのデマを語った。

北朝鮮問題でも、明日にもVXガスを搭載したミサイルが日本に飛んでくるような話をしていた。

山口の行動は、ジャーナリストというよりも「官邸の犬」というほうが相応しい。

問題なのは、官邸や内調から情報をもらい、接待まで受けているジャーナリストが多数いる事である。

(以下はリテラ2017年5月31日の記事から抜粋)

詩織さんが会見で語ったように、山口敬之には逮捕状が発布された。

だが逮捕寸前でストップがかけられ、当時の捜査員は「警察のトップからストップがかかった」と証言している。

逮捕状が出たのに、官邸がもみ消す。

これが事実なら権力の暴挙であり、だからこそ詩織さんは告発会見をしたのだ。

詩織さんの記者会見には、各社の取材陣が殺到した。

しかし、翌日の朝刊で取り上げたのは毎日新聞と産経新聞のみ。読売と朝日は無視した。

取り上げたテレビ番組も、安倍首相と山口の親しい関係には触れなかった。

弁護士や警察OBら専門家は、「逮捕状が出たのに逮捕されない、捜査が潰されるというのは、聞いたことがない」と口を揃えている。

よほど大きな力がなければ成し得ない。

このもみ消しは、警視庁の刑事部長だった中村格、官邸の北村滋・内閣情報官の関与が明らかになっている。

(以下はリテラ2017年7月8日の記事から抜粋)

安倍官邸の御用ジャーナリストである山口敬之。

彼の強姦と官邸のもみ消しについて、週刊新潮が新情報を伝えている。

それは、『内閣情報調査室(内調)が、被害者・詩織さんへのバッシング情報を流している』というものだ。

すでに「安倍官邸のアイヒマン」との異名をもつ北村滋・内閣情報官に、山口がメールを送って「週刊新潮より質問状が来ました」と相談していた事が明らかになっている。

この北村が率いる内調が、「詩織の背後に民進党がいる」とのデマを流しているというのだ。

詩織さんが司法記者クラブで会見して告発した直後から、ネット上では「彼女は民進党の回し者」との風評が飛び交っている。

本ウェブサイトで確認したが、この情報は完全なこじつけである。

週刊新潮によると、この低レベルな謀略デマを流したのは内調だ。

気になるのは、詩織さんの会見のわずか数時間後に、このデマが2ちゃんねるに投稿されたことだ。

内調が直接に2ちゃんねるに投稿した可能性もある。

内調はこれまでも、安保法案に反対するデモの怪情報や、蓮舫・民進党代表の二重国籍問題など、様々な情報を御用メディアにリークしてきた。


日記 2017年7~9月 目次に戻る