女子サッカー② A代表について
(2017.11.27&12.29.)

女子サッカーの記事の後半は、A代表についてです。

なでしこジャパンを取り上げるのは、けっこう久しぶりなんですよね。

これはサボっていたわけでも興味を失ったわけでもなく、意図的なものです。

なでしこジャパンがリオ五輪の切符を逃し、その後に高倉麻子さんが新しい監督に選ばれた。

私はこの時、こう決めたのです。

「これから1年は何も言わずに見守ろう。高倉・新監督がどういうチームを作るか、
 その手腕をまず見てみようじゃないか。」

彼女はアンダー・カテゴリーの代表を率いて見事な成績を挙げていたし、A代表の監督に女性がなるのは稀有なことだから、しばらく様子を見ようと決断した。

それで、1年くらい見てみて素晴らしい内容だったら、もう単純に楽しめばいいじゃないかと。

基本的に女性に厳しい事を言うのは苦手だし、せっかく女性の代表監督が誕生したのだから、粗探しみたいなことはしたくなかったのです。

私は、期待を込めてなでしこジャパンの試合を観てきました。

ええ、高倉監督になってからも、テレビ放送された試合は全て観てます。

1年間、ただただ観客に徹し、色んな選手が呼ばれたり、その選手たちが色んなポジションで試されたりするのを見守ってきました。

良いチームに仕上がるのを、高い可能性や美を感じさせるチームになるのを、待ちました。

だが、いっこうにチームが仕上がらない。

ぶっちゃけ、どんなサッカーがしたいのかすらよく分からない。

ほとんどが引き分けか敗北で、だんだん高倉監督の顔から自信が失われていった。

チーム発足直後には溌剌として自信に溢れていた彼女は、最近は目が泳ぎ困惑ぎみに見える。

直近の試合ではようやくチームが上向きかけてる感じがした。

でも、チームに芯がないというか、見ていてピンとくるものが無いんですよねー。

このままだと、やばい気がする。
W杯で優勝を争う国から、ベスト8によく残る国にランクが落ちてしまうのではないか。

高倉体制になってから1年半経ったし、そろそろ評価したり問題点を指摘してもいいでしょ。

素晴らしいサッカーを構築していたら、「いい、すっごくいい! 気持ちいい~!」と書いて終わらせられたんだけどね。
ちょっと残念ではある。

高倉監督を見ていて思ったのは、『選手にチャンスを与えたり、やる気を出させたりするのは上手い。だが選手の才能を見抜く目はあまりない』です。

彼女は、監督タイプとしては「モチベーター」なのではないだろうか。

フォーメーションや途中交代で投入する選手で、私が感嘆したことは一度もなかった。

私の知らない選手(高く評価してない選手)を発掘してきて活躍させ、「おお、こんな選手を見つけてきたか」という驚きも、一度もなかった。

高倉さんが抜擢した選手に、佐々木繭と中里優の2人がいる。

私はこの二人を全く評価してなかったから、高倉体制になっていち早く呼び、スタメンで起用した時に「へえ、こんな選手を使うんだ」と驚きました。

結果的には、佐々木さんは全く呼ばれなくなり、中里さんはボランチで起用され続けているが澤や川村がいた頃のような中盤の安定感がない。

佐々木さんは、ベガルタ仙台に所属しているが、私が大好きな川村優理選手も渡米するまではベガルタに居た。

その関係で同チームの試合をよく見ていたから、佐々木さんのプレーぶりはよく知っていた。

正直、特筆する長所はなかったから、「高倉さんはなぜスタメンに起用するのだろうか」と不思議で仕方なく、首をひねったわけです。

で案の定、彼女は活躍しなかった。

私は、一度試してそれで見極め、もう呼ばなくなるのだろうと思った。
それなのに呼ばれ続ける佐々木さん。そしてスタメンで出たりする。

佐々木さんを寵愛する姿を見ていて、「高倉さんって、選手の才能を見極める力はあんまり無さそうだな」と感じ始めた。

中里さんについても、技術は高いとは思うが、なでしこジャパンのボランチを任せる選手ではないと感じてます。

まず身体が小さすぎる。それを補うくらいのスーパーな技量があればいいけど、そこまではない。
守備力の点で、強豪国とやる時に物足りないです。

あと、身体が小さいからもあると思うがキック力にやや欠けて、展開力に乏しい。
それにショート・パスは上手いけど、ゲームを作れる読みに乏しい気がする。

結果的に、ボランチでコンビを組む阪口さんが一人でゲームメイクをしている状態です。
日テレベレーザでならそれでもいいけど、代表でそれだと行き詰るんだよね。

監督が変わり、新しい選手を呼んでチャンスを与える。それ自体は良いことだと思う。

だけど、呼ぶ選手がいまいちだった。

でも、だんだん良くなってきたね。
ベレーザから多く選手を呼ぶようになったけど、正しい道だと思ってます。

ベレーザは今、なでしこリーグで最強のチームです。

ただ強いだけではなく、美しいパス・サッカーを作り上げており、スタメンには若手が数多く名を連ねている。

そういう凄いチームに育てた森栄次監督を、私は非常に高く評価しています。

実は、私がなでしこリーグを見始めた頃(いまからおよそ3年前)は、ベレーザはいまいちのチームだったのです。

いまA代表に入っている田中美南とか籾木とか長谷川が、半分素人みたいな雰囲気で試合に出ており、なんともまとまりのない、ゲームプランなんて考えたことないんじゃないかとまで感じるほどの、行き当たりばったりのサッカーをやってました。

10代の選手たちが戦術なしで思うままにプレーし、阪口や岩清水という代表でも活躍する名選手がその尻拭いをする。
それが当時のベレーザでした。

私は阪口さんの能力をとても高く評価しているし、日本で最高の選手の1人だと思ってます。

その偉大な選手が、長谷川なんかが見せる荒っぽく無鉄砲なプレーで生まれたピンチをしのぐために、守備に奔走してピッチを駆けずり回っている。

「なんつーサッカーをしとるんじゃ。若手を起用するにもほどがある。もっと経験のある選手も使い、秩序のあるサッカーにしないと、阪口や岩清水が可哀相じゃないか」と憤慨しました。

試合内容は、先制したのに追いつかれて引き分けとか、後味の悪いものが多かったです。
リーグ順位も3位とかそれくらいじゃなかったかな。

私は、「監督が駄目だ。はやく交代させたほうがいい」と強く思ってました。

ところが、それから1年くらいしたら、ピヨピヨ、ヨチヨチしていた10代の選手達が、高度なパス・サッカーを見せるようになったのです。

正直、心底からびっくりしました。

メキメキと成長していく若手選手たちと、洗練されて美しく完成されていくサッカーを見ていたら、「この監督、凄いわ。天才かも。」とまで思ってしまった。

森栄次は、日本で最高の監督の1人です。
そう確信するようになりました。

私を脱帽させた現役の日本人監督は、他には森保一と風間八宏しかいない。

(調べてみたら、森さんは2015年1月にベレーザの監督に就任してました。

 つまり、私がなでしこリーグを見始めた少し後に、監督になったのです。

 私が「めちゃくちゃなサッカーしてる」と怒り呆れていた時期は、彼が
 監督になりたててで試行錯誤していたのでしょう。)

ベレーザのサッカーは素晴らしいし、日本国内で突き抜けたレベルにあるから、そのチームを代表の核にしたほうがいいと思ってます。

もっと言うと、もし高倉監督がこのまま中途半端な成績を出し続けたら、森栄次を代表監督に据えたほうがいいとまで思ってます。

ここで話が戻るんですけど、私が「高倉さんって、選手の才能を見抜く目が無いんじゃないの?」と強く思ってしまうのは、ベレーザで最も才能を感じさせる若手選手が、日本代表に呼ばれてないからです。

清水梨紗。この選手がいちばん凄いものを持っていると、私は思ってます。

ベレーザは才能ある若手をたくさん抱えているのですが、私の評価ではこの順番になります。

①清水梨紗  ②山下杏也加  ③田中美南  ④村松智子  ⑤籾木結花

⑥長谷川唯

あと一人、植木理子というさらに若い世代の選手も、かなり良いもの持ってます。

私の認識では、中里優はこの綺羅星メンバーの中で埋没するそれなりの選手にすぎません。

で、清水梨紗。

この人はサイドバックが本職ですが、たまにセンターバックもやってます。

彼女はすでに日本トップレベルで、私は「日本で最高のサイドバックは清水、鮫島、有吉の3人だ」と思ってるんですよね。

彼女をベレーザの若手の中で最上位に置くのは、『試合を読む力があるから』です。
頭がいいんですよね。それに常に冷静で落ち着いている。

先ほど、最初に見たとき若手たちは戦術を全く理解してない感じだったと書きましたが、その頃から清水さんだけは良いポジショニングをしていたし、ミスが少なかった。

ただし彼女は、今でもまだ克服しきってないのですが、身体が細くて当たりに弱かった。
キック力もなかった。

その後、少しづつ身体が強くなり、キック力は今では改善されて気にならなくなった。

足は速いし、ボール・コントロールの技術はあるし、センタリングの精度は高いし、ポジショニングに優れていて守備力があり、味方のカバーリングも上手い。

身体面で外国選手に負けない強さが身に付いたら、もう欠点ないよ。

素晴らしい才能を持つ選手だと、期待しまくっているのに、呼ばないんだよ高倉監督が。

前回の代表戦の時、ようやく呼んだのだが、試合には出さなかった。

私としては、彼女の身体がまだ完成してなくて線が細いから、外国人の太っい重っい選手たちとやり合ったら怪我しそうなので、すごい期待しつつもなでしこジャパンに入れるべきだと書かなかったのです。

怪我したらもったいない才能だからね。大事に育てたほうがいいと思っていた。

だが、高倉監督がサイドバックで清水と同じ位の年齢の選手を何人も試したり、本職はボランチの川村をサイドバックで無理矢理使ったりするのを見ていて、「そうじゃないだろ、そんな事をするなら清水を使え」と怒りが沸いてきた。

高倉さんがサイドバックで試した若手選手たちは、なでしこリーグでそれほど活躍していない。

大して良いプレイをしていないし、スタメンに定着してない選手すらいるのに、なんで試すのか正直理解できません。

北川ひかるについては、足が速くて足元の技術があり、貴重な左利きなので、私もけっこう期待しています。
だが、A代表戦でも見せてしまったが、彼女は失点につながるミスをする事が多い。
集中を切らす時があるし、ポジショニングがいまいちなので裏を取られてしまう事が多いのです。

北川は良いものは持っていると思うけど、まだA代表のレベルにないよ。

ベレーザは素晴らしいサッカーを繰り広げていて、結果も出ているしなでしこリーグで飛びぬけた強さだから、そこから多くの選手を代表に呼ぶのが正解。

このチームの強みの1つは連係の良さだから、それを代表でも発揮するためスタメンの5~6人をベレーザで固めていいと考えてます。

最近は実際にそういうスタメン構成になってきてますね。

男子の代表でも、強いクラブチームが国内にいたらそこから選手をたくさん呼んで、連係を練習で磨かなくても一定以上のレベルに届くようにする手法はよく取られている。

ベレーザから多人数を呼ぶのは理解できるのですが、人選に納得がいかないんですよねー。

実力から考えて、清水と岩清水は外せないと思うのですが。

さて。
この記事を書きあげるのに、私の体調の悪化でえらい時間がかかってしまった。

なんと1ヵ月以上かかっている。
今年9月に発症した難聴が、難聴までいかないのだが耳鳴りという形で再発し、安静にするためにその後は記事作成を控えてました。

ようやく落ち着いてきたので、様子見がてら1日30分くらい作成にあてようと決め、久しぶりに今書いてます。

筆を止めている間に、A代表は『東アジアカップ』を闘いました。

次回はその感想を書き、さらに私が考えるなでしこジャパンのスタメンを発表しようと思います。

乞うご期待。


日記 2017年10~12月 目次に戻る