(『シリア・レバノンを知るための64章』から抜粋)
シリアにヒトが住み始めたのは、200万年前に遡る。
アフリカの700万年前には敵わないが、4万年前より前に遡れない日本とは比較にならない。
シリアではシット・マルホー遺跡、レバノンではボルジ・キナリット遺跡が、最古級とされています。
どちらも年代は、百数十万年ほど前とされている。
トルコの北にあるグルジアでは、180万年前の遺跡が見つかっている。
こうした遺跡を残したのは、いわゆる原人だ。
アフリカで生まれたヒトの祖先は、徐々に体格と脳が大きくなり、200万年ほど前にホモ属が生まれた。
一方、ネアンデルタール人はヨーロッパで進化した人々で、シリアには7~5万年前に現れた。
だが5万年前に、忽然と姿を消してしまう。
その頃アフリカから出てきたホモ・サピエンスに取って代わられたからである。
ネアンデルタール人はヨーロッパに撤退し、やがて滅亡した。
ホモ・サピエンスは、中東からヨーロッパやアジアへ拡散し、その一部は日本にまで到達した。
1万数千年前に、シリアのホモ・サピエンスは「定住」を始めた。
定住により、生活様式は大きく変化した。
1万年前には、最古の農耕遺跡も現れた。
(2014年8月11日に作成)