(『タックスヘイブンの闇』から抜粋)
ミルトン・フリードマン(有名な経済学者)は香港を、『自由放任資本主義の世界最大の実験場』と呼んだ。
アメリカのベテラン捜査官であるジャック・ブラムは、こう語る。
「イギリスは、香港を『規制のない世界』として設立した。
(※香港は、1997年までイギリスが租借していた)
中国でビジネスをする企業は、香港に秘密法人を作る。
今日、中国での不正行為のほとんどは香港で行われている。」
1978年に中国が市場開放の政策を採ると、香港は急速に発展した。
1997年に香港が中国に返還されてからも、中国は「特別行政区」として、香港のシステムを残した。
中国のエリートたちは、自前のタックスヘイブンを望んでいる。
G20が2009年4月に、タックスヘイブンのリストを採択しようとした時、胡錦濤は香港とマカオをリストから外すために、バラク・オバマと激しくやり合った。
そして、その2つを補注に追いやる事に成功した。
シティ・オブ・ロンドンは、香港との深い関わりを続けている。
イギリス最大の銀行であるHSBCは、中国を重視して、2010年3月にCEOをロンドンから香港に移した。
だが香港はオフショアの規模では、2007年時点でケイマン諸島の12分の1である。
2007年に中国に対する投資額で1位と2位を占めたのは、香港とイギリス領ヴァージン諸島だった。
(2014.5.9.)