オフショア金融の手口 ラダリング

(『タックスヘイブンの闇』から抜粋)

オフショア金融は、通常は『ラダリング(はしご登り)』と呼ばれるごまかし手法を伴う。

ラダリングは、役割を細かく分けて、それぞれの地域で資産に「新しい包装紙」を巻くことである。

これは偽装をするためで、実際の資産は別の場所に置かれる。

ケイマン諸島で弁護士をしていた人物は、「お金は、本当は全部ニューヨークやロンドンに置かれている」と言う。

ラダリングは、具体的にはこんな感じで行われる。

メキシコの麻薬密売業者が、パナマの銀行口座に2000万ドルを持っていたとする。

この口座は彼の名義ではなく、バハマに設立された信託会社の名義になっている。

信託受益者はワイオミングの会社かもしれない。

あなたがこの信託会社について調べても、実態には近づけない。

会社の取締役は、名義貸しをしている連中で、何百もの同様の会社の取締役になっているのだ。

違法な取引をする者たちは、シェルバンク、信託、ダミー会社を使っている。

レイモンド・ベイカーは、「アメリカが犯罪マネーの押収に成功する率は、0.1%だ」と言う。

(2014.3.10.)


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