(『南アフリカを知るための62章』から抜粋)
南アは、野生動物の保護区が多い。
大小21の国立公園があり、州が管轄する保護区や個人経営の観光用農場も多い。
最も有名なのは、「クルーガー国立公園」である。
総面積は196万ヘクタールで、年間の訪問者は139万人(2007年度)、3割が海外からの訪問者だ。
動物鑑賞のベストシーズンは、6~9月の冬季である。
冬季は気温が低く、マラリアに罹る危険が少ない。
大地の草の丈も短くなるので、動物を見つけ易い。
クルーガー国立公園の前身であるサビ野生動物保護区が設立されたのは、1898年だった。
白人達が野生動物を大量に狩猟して、動物たちが絶滅の危機に瀕したため、狩猟を禁じたのだ。
ボーア人(オランダ系の人々)にとって野生動物は、「食糧」「革製品」「象牙などの交易品」になる資源だった。
それと同時に、ライオンなどは家畜や穀物を荒らす害獣だった。
ボーア人によって、19世紀後半までに、ほとんどの地域で野生動物は減少・絶滅してしまった。