レアメタル大国 金の採掘では世界第1位
日本にも大量に輸出している

(『南アフリカを知るための62章』から抜粋)

レアメタルとは、存在量が少なくて地理的に偏在している金属や、取り出すのが難しい金属を言う。

南アフリカは、中国やロシアと並ぶ「レアメタル大国」である。

「日本の自動車産業を支えているのは、南アのレアメタルである」というのは、まんざら大袈裟でもない。

プラチナ(白金)は、自動車の排ガスを浄化するなどの工業用として使用されている。

日本が2006年に輸入したプラチナの83%は、南ア産であった。

車体用の鋼板に不可欠なクロムについても、南ア産が5割を占めている。

マンガンも、37%が南ア産である。

トヨタと日産は、南アに進出して工場を持っている。

南アの強みは、「レアメタルの豊富さ」である。

プラチナ、ジルコニウム、クロム、マンガン、バナジウム、ニッケル、アンチモン、金、チタン、では世界有数だ。

全国に、1212ヶ所もの鉱山がある。

金の採掘では、100年間に渡って世界第1位のシェアを維持してきた。

バーミキュライトでは、2003年度は世界の輸出量の94%を占めた。

プラチナ、マンガン、クロムについては、世界の埋蔵量の7割以上を占めている。

2006年には、鉱業部門はGDPの16%を占め、輸出総額の6割を占めた。

長い間、地下資源の所有権は、土地の所有者にあった。

それを2004年に、新鉱業法を制定して、資源は国家が管理することにした。

金の鉱山は、地下深くまで坑道を作っている。

地下3600mという、世界最深の鉱山もある。
現場は、死と隣り合わせだ。

南アの金鉱山は、金の含有率が少ない。
安い賃金で過酷な作業を行わせるアパルトヘイト・システムによって、鉱山業は成立してきた。


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