体制を支えているのは軍だ 軍が崩壊すれば、体制は崩壊する
軍人は監視されている

(『北朝鮮の真実』重村智計著から抜粋)

北朝鮮の体制を支えているのは、軍である。

軍が崩壊しない限り、体制の崩壊は難しい。

軍は、石油の供給が無くなると崩壊する。

中国は、それをよく知っている。

中国は石油を、年間50万トン供給している。

中国は、北朝鮮を支えている。

中国は、「北朝鮮が崩壊して、韓国に統一されると、在韓米軍基地が中国国境に移動する」と考えている。

軍の分裂があれば、体制は崩壊するだろう。

北朝鮮とよく似た体制だったチャウシェスク時代のルーマニアは、軍が分裂したために崩壊した。

北朝鮮では、これまでに少なくとも5回のクーデター計画があったとされる。

最も有名なのは、1992年4月の計画である。
これは未遂に終わり、1年後にバレて40人の将軍が処刑された。

北朝鮮で革命を起こすのは、簡単ではない。

秘密警察や憲兵が、目を光らせている。

さらに、しょっちゅう集会が開かれて、密告を強要される。

軍人は、「野戦軍人」と「政治軍人」に分かれる。

「野戦軍人」は、普通の軍人である。

「政治軍人」は、野戦軍人を監視するための軍人である。

政治軍人の方が出世すると言われていて、「総政治局」に所属している。

総政治局は、軍の幹部を監視しており、自宅を盗聴している。

総政治局は、「思想教育」も行っている。

主体思想と先軍思想を教え、定期的に集会を開いて思想の点検をしている。

「北朝鮮が崩壊すると、何十万人もの難民が日本に来る」という意見がある。

しかし北朝鮮の人々は、「日本は朝鮮人をいじめる人達だ」と考えている。
だから、日本に逃げてくる可能性は低い。

韓国に脱出した「脱北者」たちは、北朝鮮の体制転換を目指す団体を組織している。

こうした団体が、北朝鮮の連絡者に携帯電話を渡して、連絡を取り合っている。

これにより、北朝鮮の情報はかつてと比べ物にならないほど、明らかになっている。

軍の実力者は、呉克烈だと言われてきた。

しかし最近は、克烈の力は落ちてきているという。

軍の実力者は、「国防委員会」のメンバー達で、呉克烈、金永春、金正覚、李英浩などである。


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