パキスタンの核の闇市場と北朝鮮(カーン博士の核開発)

(毎日新聞2012年2月11日の記事から)

パキスタンのカーン博士は、1980年代後半から核兵器開発の技術を、次の3国に売り渡した。

① イラン  80年代半ば~90年代にかけて売る

② リビア  90年代半ば~03年までの間に売る

③ 北朝鮮  90年代半ば以降に売る

取引はUAEのドバイを拠点に展開され、マレーシアに遠心分離機の製造工場を設置。

欧州やアフリカの企業に、部品を発注した。

2003年に米英の通報によって発覚し、核兵器の闇市場は消滅した。

カーン博士は、オランダの大学で「ウラン濃縮に最も重要な要素」とされる『冶金工学』を学んだ。
そして、英独オランダ合弁のウラン濃縮会社「ウレンコ」の関連会社に、75年まで勤務した。

カーン博士はウレンコで、遠心分離機用の特殊冶金開発に従事。
その技術を持って、76年にパキスタンに研究所を設立した。

カーン博士が76年に設立した『カーン研究所(KRL)』は、パキスタンのカフータに所在した。

KRLはパキスタンの核開発の中心であり、北朝鮮産のミサイル「ノドン」の製造工場でもあった。

イランとリビアの核開発が明らかになった03年に、両国に技術・機械を提供していたカーン博士は自宅軟禁となった。

カーン博士の告白書などによると、北朝鮮とKRLの付き合いは93年頃から。
93年は、カーン博士が団長として訪朝し、ノドン購入とミサイル組み立て工場の建設が始まった時期。

「北朝鮮のミサイル技術と、パキスタンの核技術の交換が行われた」と、カーン博士は告白した。

パキスタン政府は、「ミサイルは現金で買った」と疑惑を否定している。

だが、当時のパキスタンは財政が底をついていた。
ミサイル代金は2億ドルとされ、専門家は疑問を投げかけている。

○村本のコメント

核技術の拡散も大問題ですが、ミサイル代金の安さに目がいきます。

ミサイル代金が2億ドルというのは、かなり安い印象を受けます。
核技術もそうなのですが、案外に安いんですよ。

日本は年間に5兆円も国防費に使っているのですから、とんでもない質・量の武器を毎年アメリカから購入しているわけです。
それで北朝鮮に脅威を感じるなというのは、無理だと思います。

たかが2億ドルで、ノドンを買って地域の平和を脅かせるのですから、世界全体が軍縮をして兵器を一掃しない限り、平和を実現するのは無理ですよ。


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