日朝首脳会談の真実⑥
交渉を担当した田中均は、交渉の記録を残さなかった

(『北朝鮮の真実』重村智計著から抜粋)

日朝首脳会談については、交渉の記録が残されていない。

交渉にあたった外務省の田中均アジア局長が、記録を残さなかったのである。

外交関係者は、この事に激しい怒りを表明している。

北朝鮮側は、「国交正常化の時期」「経済支援金の金額」などの多くの約束文書を交わしたと明らかにしている。

しかし田中均は、それを否定している。

拉致被害者の帰国については、北朝鮮側は「1週間から10日の里帰り」で合意したと主張している。

田中は、それも否定した。

当時の小泉純一郎・政権は、失速しており政権を失う可能性があった。

このため支持率回復を狙い、「2003年1月1日からの国交正常化」と「1兆円強の経済支援金を出すこと」にOKを出したのだろう。


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