党の権力構造
党員になるには出身が重要

(『北朝鮮の真実』重村智計著から抜粋)

北朝鮮は社会主義国で、党が指導する体制である。

かつては、「朝鮮労働党」が全ての権限を握っていた。

ところが、党大会は1980年以降は開かれておらず、党の政治局の会議も2011年まで30年間も開かれなかった。

その一方で、政府機関の「国防委員会」が権限を拡大した。

(現在は、軍が最大の権力を持っているらしい)

党中央委の秘書局(書記局)は、朝鮮労働党の実際の権限機関である。

書記は、2011年時点では11人。

金正日、金己南、崔泰福、崔龍海、洪錫享、金養健、金永日、文京徳、朴道春、太鐘守、金平海の11人である。

党の部局の中で、最も重要なのは「党組織の指導部」である。

ここの部長は、金正日が兼任していると言われていた。

副部長は22人おり、各部局を担当している。
党組織の指導部の第1副部長は、絶大な権限を持っている。

党の最大の工作機関は、「統一戦線部」である。

北朝鮮の支配層になるには、まず党員になる必要がある。

党員は300万人と言われ、なるには出身が重要である。

先祖や家族が、日本の植民地時代に地主や役人だった者は、党員になれない。

他にも、資本家やキリスト教徒、韓国に親族がいる者も、なれない。

(2013.8.20.)


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