(『北朝鮮の真実』重村智計著から抜粋)
世界の視点から見れば、南北朝鮮は、「先進国になった韓国」と「最貧国の1つ北朝鮮」という状態である。
統一が実現した場合、韓国は「国際的な常識のない、貧しい2000万人」を抱える事になる。
韓国の経済力は低下し、国民1人あたりのGDPは、現在の2万ドルから1.4万ドルに急落すると見られる。
北朝鮮の教育水準を上げて、南北の貧富の格差を無くすには、かなりの時間がかかるだろう。
もし北朝鮮の崩壊によって統一が実現したら、北朝鮮の指導層は「大悪人」として歴史に記録される。
それを避ける事や、民族の発展を考えるならば、統一へ向かうしかない。
北朝鮮の指導層が統一へと歩めば、彼らは「統一の功労者」として歴史に刻まれる。
そのためには、核開発を放棄して、軍を縮小するしかない。
統一は、韓国による北朝鮮の吸収統一がベストである。
北朝鮮のシステムは、国際社会では通用しないからだ。
統一の主導権は、アメリカや中国などの周辺大国に渡してはならない。
統一への大きな問題は、次の6点である。
① 金正恩などのロイヤル・ファミリーをどう扱うか
② 北朝鮮の軍や党の幹部をどうするか
③ 軍の解除・縮小をどうするか 核兵器をどうするか
④ 経済をどう合併するのか
⑤ 北朝鮮の人々の生活と就職
⑥ 中国の了解をどう得るか
(2013.12.9.)