日本は、朝鮮半島で有事が起きても、軍事介入をしてはいけない

(『北朝鮮の真実』重村智計著から抜粋)

日本は、朝鮮半島で有事が起きても、軍事介入をしてはいけない。

もし日本が軍事介入をしたら、中国・ロシア・アメリカも介入してくる。

日本は、朝鮮を植民地にしていた時代に、余りにもひどい統治をした。

だから現在でも、韓国の人々は「日本人は本当に信用できるか」との質問に、70%が「信用できない」と答えている。

自衛隊がもし韓国に入ったら、たとえ有事の時でも「再侵略に来た」と考えるだろう。

日本は、「絶対に朝鮮半島には軍事介入しない」と明らかにした方がいい。

そして、「要請があれば、軍事以外の協力はいとわない」と鮮明に示すのが良い。

朝鮮半島の問題は、あくまでも韓国と北朝鮮の問題である。

日本は、603年の白村江の戦い以来、何度か朝鮮半島に侵攻した。

その度に、中国も朝鮮に侵攻して、日本と対決した。

これは、「朝鮮半島に手を出せば、必ず中国が出てくる」との教訓である。

バルカン半島や朝鮮半島などの半島地域は、周辺諸国を「巻き込む」特性がある。

朝鮮の李朝末期には、李朝は中国・日本・ロシア・アメリカを巻き込んで、自分に有利になるように展開させようとした。

そして、李朝は失敗して滅んだ。

北朝鮮は、この「巻き込み戦略」を展開している。

日本は、朝鮮半島での主導権争いに巻き込まれてはならない。

巻き込もうとする者(軍事介入させたい者)が使う論理は、「日本はこのままでは乗り遅れてしまう」という『乗り遅れ論』である。

しかし、日本が乗り遅れてしまっても、何の問題もない。

おせっかいをして、有事の対応への事前協議などを持ちかけてはいけない。

他国の内政に干渉して、政治を動かしたり政権を崩壊させようとするのは、大国主義であり優越意識である。

かつての日本では、朝鮮の南北のどちらかに加担して、相手の政権を倒そうとする運動に多くの人が参加した。

これは、他国への干渉であり、優越意識である。

(2013.12.9.)


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