人口 一人っ子政策

(『現代中国を知るための55章』から抜粋)

中国は、1949年の建国から64年までの15年間に、人口は5億人→7億人に増えた。

その後、人口増加はさらに加速して、74年には9億人に達した。

この増加の背景には、新しい中国の建国後は生活条件が改善されて、死亡率が低下した事があった。

人口増加が急激だったため、1950年代の後半には「人口の抑制論」が出た。

しかし毛沢東は、「人間は資本である」と考えていて、「人口が増えれば、国の熱気が上がる」として、出産の抑制はしなかった。

人口が8億人を突破した1969年頃から、政府は対策を考え始めた。

71年からは計画出産の推進を始めて、78年には憲法を変えて「国家による計画出産の推進」を明記した。

そして1979年から、国策として『一人っ子政策』を行う事になった。

95年以降は、人口増加率は年率1.1%以下になっている。

一人っ子同士の結婚では、第二子の出産が認められている。

一人っ子政策により、近年は高齢化が急速に進んでいる。

2000年には、60歳以上の人口が1割を突破した。

1997年時点の全国の夫婦の子供数は、平均1.34人である。

子供のほとんどは、一人っ子なのだ。

大都市の20歳未満の子供たちは、ほぼ一人っ子である。

一人っ子たちは、両親と4人の祖父母に見守られて育っていく。

彼らは、将来6人の高齢者の面倒を見なければならないのだ。

一人っ子は、おおむね少しわがままに育っている。

子供にかける親の期待が大きくなっているので、それが圧力になっている。
親は、子供の成績に異常な関心を持つようになってしまっている。


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