タイトルシリアとレバノンの地理

(『シリア・レバノンを知るための64章』から抜粋)

シリアとレバノンは、アジア西端の国である。

緯度は、日本の本州とほぼ同じ。

面積は、シリアは日本の半分、レバノンは岐阜県と同じくらいである。

両国は、海あり山あり、大河あり砂漠ありで、多様な環境である。

両国の西端は、地中海に面している。

その海岸地域は、リゾート地にもなっており、中東地域のイメージとかけ離れた風景である。

海岸地域から東に向かうと、レバノン山脈とアンティ・レバノン山脈が南北に走っているのにぶつかる。

この山脈地帯は、1年の大半が雪に覆われている高山帯である。

ここで有名なのは、「レバノン杉」だろう。

古代メソポタミアやエジプト王たちが輸入したほどの名木で、レバノン国旗にも書かれているほどだが、乱伐のために数が減りユネスコのの世界遺産に指定されている。

さらに東に向かうと、細長い盆地があり、そこを越えるとステップ地帯に入る。

ここはシリアの穀倉地帯で、春先には広大な麦畑が広がる。

ステップ地帯の北東部は、ユーフラテス河が横切っている。

ユーフラテス河以東のステップ台地は、伝統的に「ジャズィーラ」と呼ばれている。

アラビア語で「水に囲まれた土地」を意味し、ティグリス河とユーフラテス河に挟まれているため、正にメソポタミアである。

この地方は、古来から西の地中海よりも東のイラク方面と密接な関わりを持ってきた。

シリアの東南部は、シリア砂漠である。

ここでは、オアシスに少数の集落が点在している。

シリアとレバノンの主要都市は、主力作物である小麦の天水農耕が可能となる、年間降雨量が400ミリ以上の地域にある。

(2014年8月11日に作成)


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