日本で風力発電が普及しない理由・環境影響評価制度の弊害

(毎日新聞2013.4.19.から)

日本では、昨年7月に固定価格買い取り制度が始まった後も、風力発電の導入は進んでいません。

立ちはだかっているのは、『環境影響評価(アセスメント)』に必要な長い時間です。

『環境影響評価(アセスメント)制度』とは、大規模な事業の場合、事業者が環境への影響を調査して、それを公表し住民と話し合う制度です。

アセスメントが義務づけられているのは、ダムや原子力など13事業。

従来、風力発電はアセスメントの対象ではありませんでした。

しかし、昨年10月の法改正で、1万kW以上の事業の場合は厳しいアセスメント実施が義務づけられた。

調査と審査に4年以上かかる上、追加調査を求められればさらに先延ばしになります。

「グリーンパワーつがる」は、青森県つがる市に、350億円をかけて2300kWの風車を55基並べる計画を立てています。

総出力12.6万kWは、国内最大規模だ。

ところが、計画に「待った」がかかった。
環境省と青森県が、環境アセスメントの追加調査を求めたのです。

18基について、野鳥が風車にぶつかるバードストライクの可能性があるとし、「配置を見直すべきだ」とした。

同社は18基を水田地帯に移そうとしましたが、優良農地の転用は農地法で禁じられています。

風力発電業界からは、アセスメントが長期化することに不満が集中しています。

風力発電がアセスメントの対象になったのは、バードストライク・騒音・景観への苦情(不安)が住民から相次いだためです。

アセスメントに詳しい原科幸彦さんは、『簡易アセスメント』の導入を提唱している。

「一律にフルメニューのアセスを実施するよりも、地元住民と話し合い、地域の事情に沿って評価項目を絞り込んだ方がいい」と言う。

○ 村本のコメント

この『アセスメントによる発電所設置までの長期化』は、地熱発電でも問題とされています。

現在行われている再生可能エネルギーの推進は、脱原発と繋がっているものです。
再生可能エネルギーの普及が遅れれば、原発再開の要望は高まるでしょう。

日本の皆さんには、「原発を再稼動すること」と「風力発電や地熱発電を推進すること」のどちらが環境に優しいか、どちらを望むのかを、考えていただきたいです。

風力発電による環境破壊や不便さは、多少はあるでしょう。
しかし、原発や火力発電と比較すれば、圧倒的に環境に優しいのです。

ぜひ、総合的に物事を考えてもらいたい。

つがる市など、風力発電所を設置する所では、発電した電力を近隣住民に安く融通するようにすればいいと思います。

そういった特別措置をすれば、住民も騒音等に納得するのではないでしょうか。


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