イスラム世界の人名について

アラビア語の世界では、人名に父の名前が入る。

イブン・~の部分は、父親の名である。

ビン・~もよく出てくるが、これはイブン・~と日本語表記上の違いがあるだけで、同じ意味である。

イブンもビンも、「息子」という意味である。

つまり、例えばハーリド・イブン・サウードという名前だった場合、「私はハーリド、サウードの息子です」という意味になる。

ハーリド・ビン・サウードも、同じ事である。

9・11テロの首謀者とされているオサマ・ビン・ラディンは、オサマで呼んだ方がいいと思う。
ビン・ラディンという人は、沢山いるから。

(女性の場合は、娘を意味する「ビント」を、イブンやビンの部分に用いる)

アラビア半島をはじめとする中東諸国は、英仏両国の支配下に入った時期がある。

その時に、もともと苗字がなかったアラビア人に、英仏が苗字を付けるように強制した。

そして、ビン・ラディンなどのそれまでは血筋を表すものが、苗字になったようだ。

アラビア語では、「アル」もよく出てくる。人名でも出てくる。

これは、英語の「the」に相当する。

アブドゥル(アブド・アル)も、人名でよく出てくる。

これは「~の下僕」という意味で、「アブドゥル=アジーズ」だったら「偉大なるものの下僕」を意味する。

ちなみに、アジーズの部分に用いる言葉は、『アッラーの99の美名』から選ばれるらしい。
(つまり99の中から、1つが選択されている)


イスラム教 目次に戻る