(『エコノミック・ヒットマン』ジョン・パーキンス著から抜粋)
1960年代のケネディ政権からジョンソン政権にかけては、もっとも重要な影響力を持った人物はロバート・マクナマラだった。
マクナマラは、フォード社に入社し、1960年にはフォード一族以外で初めて社長に就いた人だ。
彼はケネディから国防長官に指名された。
そして、ベトナム戦争では戦略の決定をした。
国防長官を辞職した後は、世界銀行の総裁に就任した。
彼は、軍産複合体を象徴する存在である。
私の友人たちは、「大企業のトップ → 政府閣僚 → 世銀総裁」という、『権力分離の原則に対する違反』に、大変な衝撃を受けていた。
今から思えば、マクナマラの最悪の功績は、世銀がかつてない規模でアメリカの代理人と化すための舵取りをした事だろう。
彼の違反は、悪しき前例となった。
ジョージ・シュルツは、ニクソン政権で財務長官を務め、その後にべクテル社の社長となり、レーガン政権では国務長官になった。
べクテル社の副社長だったキャスパー・ワインバーガーは、レーガン政権の国防長官になった。
リチャード・チェイニーは、父ブッシュ政権の国防長官を務め、ハリバートン社の社長となり、息子ブッシュ政権では副大統領になった。
(2015年7月3日に作成)