(早わかり世界近現代史、世界歴史大系アメリカ史2から抜粋)
好況やヨーロッパへのカネの貸し付けを背景に、アメリカは巨大な富を蓄えていった。
そして、破天荒な消費大国になっていった。
アメリカは、人口は世界の6%にすぎないのに、石油は世界の76%、ゴムは70%、絹は75%を消費するようになった。
1500万個の電気アイロン、500万台の洗濯機を持ち、自動車は2450万台と4人に1人が持っている状態になった。
当時は、ヨーロッパ全体ですら自動車は491万台だった。
急速な自動車の普及には、フォード社のベルトコンベヤ方式の生産手法が貢献していた。
(今では当たり前だが、当時は画期的な方式だった)
一般労働者の年収の20~25%で購入できるまでに、価格は下がったのである。
産業の電化率は、1914年の30%から、29年には70%に増えた。
1902年に59億キロワットだった電力は、29年には1167億キロワットと19倍に成長した。
これは、ヨーロッパ全体の1182億キロワットとほぼ同じだった。
さらに、レーヨン、プラスチック、ラッカーなどの新素材が登場した。
冷蔵庫も普及し、普及と共に冷凍産業も登場した。
工業生産の大規模化は、企業の巨大化を促進した。
1920~28年の間に、1200件のM&Aがあり、600以上の企業が消えた。
自動車産業も、フォード、GM、クライスラーの3社が、生産の83%を占めるようになった。
(2013.6.2.)