(『早わかり世界近現代史』から抜粋)
第一次世界大戦が始まると、参戦していないアメリカは、兵器と食糧を次々とヨーロッパに輸出して儲けていった。
輸出先は、次第に英仏に傾いていった。
モルガン財閥は、英仏に30億ドルもの兵器を売った。
アメリカ政府は、英仏に10億ドルを貸し付けた。
1917年にドイツは、交戦海域に入った船を無差別に攻撃する「無制限のドイツ潜水艦による攻撃」を始めた。
それを見たアメリカは、「民主主義を守るために必要だ」として、ドイツに宣戦布告をした。
しかし、アメリカが参戦した本当の理由は、『英仏に貸し付けた膨大なカネを、確実に回収すること』だった。
参戦した結果、アメリカの兵士は戦死・病死が11万人、負傷者は20万人に上った。
アメリカは、世界一の債務国だったが、ヨーロッパ各国に物資を売ったりお金を貸すことで、世界一の債権国になった。
35億ドルの債務国だったアメリカは、一躍して125億ドルの債権を有する「世界一の債権国」となった。
金の保有量も46億ドルとなり、世界の半分近くを占めるまでになった。
アメリカの海外資産は、270億ドルに拡大した。
工業生産も、1929年には全世界の42.2%を占めるまでになる。
モルガン銀行は、1920年代に、ヨーロッパ諸国に9.6億ドルも貸し付けた。
(ヨーロッパ諸国は、復興のためにお金が必要だったのです)
(2013.6.16.)