(『世界歴史大系 アメリカ史2』から抜粋)
ニューディール政策は、連邦政府の力を大きく拡大させた。
連邦支出は、1929年には32億ドルだったが、36年には84億ドルになった。
GDP比では、29年には3%だったが、35年には9%になった。
長い間、州政府の合計支出の方が、連邦政府の支出を上回っていたが、1936年には連邦政府が上回った。
従来は、失業者対策は州政府の役割であった。
フーヴァー大統領はそれゆえに、国が対策をするのを拒否していたが、1932年に初めて支出が行われた。
これは、大きな転換だった。
1935年には、「事業促進局(WPA)」が設置された。
これは、これまでの失業者への現金給付は廃止して、公共事業に失業者を雇うための機関である。
公共事業の賃金は、民間企業との競争をさけるために、平均値よりも低いのを原則とした。
(2013.6.18.)