ウッドロウ・ウィルソン大統領(1913~16年)
累進所得税、連邦準備法

(『世界歴史大系 アメリカ史2』から抜粋)

ウッドロウ・ウィルソンは、牧師の子として生まれ、プリンストン大学の学長となった。

その後は、ニュージャージー州の革新知事として名を上げていた。

大統領に就任するや、「教書を演説で伝える習慣」を1世紀ぶりに復活させた。

彼は、民主党の伝統である『反中央集権、個人の自由』を基本とした。

彼は、英国の首相グラッドストーンに少年時代から憧れていた。

議会の抵抗を世論の動員で克服し、革新主義の改革を結実させた。

1913年に成立させた『アンダーウッド関税』は、南北戦争後で初の実質的な関税引き下げだった。

1913年には、『累進制の所得税』も成立させた。

最高税率はたった7%だったが、19世紀の「公有地売却と関税による歳入」から、20世紀の「所得税による歳入」への移行の契機となった。

これまでは中央銀行が存在せずに、需要に対して通貨供給量を調節するシステムがなかった。

そこで1913年末に、『連邦準備法』を成立させた。

これにより、準備銀行を各地区にもうけ、それをFRBの監督下に置いた。

独占規制では企業側に寝返り、有効な法を作らなかった。

年少労働者保護の法は、反対して葬った。

農民に長期・低利の融資を与える『土地銀行法』は、反対して葬ったが、農民の不満が高まったのを見て可決させた。

さらに労働法も、世論を見て可決させた。

黒人問題では、全国レベルでの差別を承認した。

(2013.4.6.)


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