(『世界歴史大系 アメリカ史2』から抜粋)
西部の農民たちは、自作農が中心で、19世紀末までには産業体制に巻き込まれた。
彼らは、金融会社から金を借りて経営をしていた。
彼らには土地への愛着は少なく、1910年には半数が、5年前とは異なる土地に住んでいた。
彼らは外部資本を独占権力と意識し、人民党を支持したが、人民党は敗北して彼らも手を引いた。
手を引いたのは経済環境が改善されたためで、金鉱がコロラドとアラスカで見つかり、精錬法も改良したために、通貨インフレが生じたのである。
物価は1897年からの14年間で、5割も上昇した。
さらに農産物の価格も上がり、農業の黄金時代が到来した。
これによって彼らの意識は変化し、人民から「農業企業家」となった。
(人民党については、『アメリカ史 南北戦争後~1900年まで』を見て下さい)
(2013.3.29.)