(『世界歴史大系 アメリカ史1』から抜粋)
奴隷貿易は、15世紀にアフリカに進出したポルトガル商人によって始められた。
この貿易は、18世紀が最盛期となった。
奴隷貿易の取引数の上位ランキングは、次のとおり。
1位イギリス、2位フランス、3位ポルトガル、4位オランダ、5位デンマーク。
アフリカから奴隷船での輸送中に、奴隷たちの15~20%が死亡した。
当時は、一般船員も同程度の死亡率だった。
アメリカに連行された奴隷は、トータルで1000万人ほどである。
1451~1600年までの奴隷貿易の人数は次のとおり。
スペイン領アメリカへは7.5万人が連行された。
ブラジルへは5万人が連行された。
ヨーロッパへは4.9万人が、サントーメ(西アフリカにある島)には7.6万人が、大西洋諸島へは2.5万人が連行された。
合計は27.5万人。
1601~1700年の奴隷貿易の人数は次のとおり。
イギリス領の西インド諸島へは26.4万人が連行された。
スペイン領アメリカへは29.3万人が連行された。
フランス領の西インド諸島へは15.6万人が連行された。
オランダ領の西インド諸島へは4万人が、デンマーク領の西インド諸島へは4千人が連行された。
ブラジルへは56万人が連行された。
ヨーロッパへは千人が、サントーメには2.4万人が連行された。
合計は133.8万人。
1701~1810年の奴隷貿易の人数は次のとおり。
イギリス領の北アメリカへは34.8万人が連行された。
イギリス領の西インド諸島へは140.1万人が連行された。
スペイン領アメリカへは57.9万人が連行された。
フランス領の西インド諸島へは134.8万人が連行された。
オランダ領の西インド諸島へは46万人が連行された。
デンマーク領の西インド諸島へは2.4万人が連行された。
ブラジルへは189.1万人が連行された。
合計は605.1万人。
1811~1870年の奴隷貿易の人数は次のとおり。
イギリス領の北アメリカへは5.1万人が連行された。
スペイン領アメリカへは60.6万人が連行された。
フランス領の西インド諸島へは9.6万人が連行された。
ブラジルへは114.5万人が連行された。
合計は189.8万人。
全期間の合計数は、956.2万人。
奴隷制度の廃止は、1803年にデンマークが決定した。
1807年にイギリス、08年にアメリカ、17年にフランス、18年にオランダ、20年にスペイン、24年にスウェーデンが続いた。
ポルトガルのみ、ブラジルへ奴隷を供給するため廃止しなかった。
(2020年4月3日に作成)