ロズウェル事件 回収された遺体と宇宙船の詳細

(『ペンタゴンの陰謀』フィリップ・J・コーソー著から抜粋)

私が上司のアーサー・トルードー中将から渡された、ロズウェル事件のファイルには、墜落現場で見つかった身長120cmの生物の写真もあった。

興味深いのは、その生物の検視・解剖の報告書で、次のことが書いてあった。

①心臓と肺は、地球人よりも大きい

②骨は細いが、原子構造の違いから張力に富む

③皮膚も原子構造が異なり、宇宙線や重力から臓器を保護すると見受けられる

④弾力性のあるジャンプスーツもしくは外皮と思われる保護膜で、身体が覆われている

⑤全体として地球人に似ており、脳はやや大きいとはいえ地球人とさほど変わらない

この報告書を見ると、長期の宇宙飛行に適していると思われた。

例えば心臓や肺が大きいことから、新陳代謝が悪く、心拍数が少ないと思われるが、体内時計の進みは遅いはずである。

心臓は内部に横隔状の筋肉があり、重力の少ない環境でも生存できるようになっている。

胸部に占める肺の割合はとても大きく、たっぷりと空気を溜め込んでいた。
おそらく少々呼吸ができなくても生きるだろう。

なお、地球の大気はこの生物にとって有害らしく、飛行機が墜落してウォルターリード陸軍病院に運ばれる間に、臓器の腐敗は地球人のペースよりもはるかに速く進んでいた。

腐敗のために、解剖しても詳しくは分からなかった。

骨も腐敗が進んでいたが、見たところ繊維質で、地球人よりも弾力性があった。

アメリカ軍の回収チームによると、墜落機の近くで2体が生存しており、苦し気にあえいでいた。

地球人ならば墜落時に骨折死するだろうが、この生物の骨は過度の衝撃にも耐えるらしい。

墜落した宇宙船には、食事をする設備がなかった。
どうやって食事や排泄をしたかは、報告書には書いてなかった。

この生物の身体は、保護膜で覆われていたが、クモの巣でからめた様にぴったり密着していて、見たことのない素材だった。

皮膚も興味深くて、珍しい脂肪組織の薄い層をしていて、完璧に透過性があり、血液もしくはリンパ液に似た乳状の体液に化学物質を入れたり出したりしているらしかった。

これが栄養摂取と排泄の方法なのだろうか。

皮膚から栄養摂取と排泄をしているならば、小さな口と消化器官の無いことも説明がつく。

だが私は、彼らは本物の生物体ではなく、ロボットかアンドロイドだと考えた。

この生物の脳は、4つの部分にはっきりと分かれていた。

頭蓋骨は固くなくて、柔らかな海綿状をしていた。

回収されたものに「ヘアバンド」があったが、弾力性のあるプラスチックに固定され、脳波計やポリグラフの伝導体に似ていた。

ヘアバンドは、生物の頭が大きく膨らみ始める、耳の真上あたりに装着されていた。

これを何人かのアメリカ軍将校が頭に着けてみたが、ボタンやスイッチも無いし、何も起きなかった。

しかし頭の大きい者で、ぴったり装着できる者が出てくると、頭がピリピリしたり、まぶたの裏で様々な色が炸裂した。
脳を刺激して情報を伝えていると思われた。

おそらくこのヘアバンドは、脳内の電気インパルスを特定のコマンドに変換する装置である。
宇宙船の航行システムと操縦士の仲介をするのではないか。

墜落した宇宙船には、制御や推進のシステムが無かった。
もし操縦士の脳波で誘導するシステムならば、脳波をヘアバンドが読み取り伝達するのだろう。

操縦士が着けていたヘアバンドは、脳波を宇宙船に送って、それで宇宙船のスピードや方向を制御していたのではないか。

宇宙船には、操縦桿もペダルもケーブルも一切なかった。

私は、ベセスダ病院で執刀したアメリカ海軍の検視報告書は手に入れられなかった。

見たのは陸軍(ウォルターリード陸軍病院)の検視報告書だけだ。

異星人の遺体は当初、ライトフィールド基地に保管されて、それから各部署に配分された。

陸軍航空隊が、アメリカ空軍となって独立した時(1947年9月)に、ライトフィールド基地にあった遺体は宇宙船ともども、カリフォルニア州のノートン空軍基地に送られた。

空軍はノートン空軍基地で、宇宙船のテクノロジーの複製にあたった。

異星人テクノロジーの実験場は、やがてネバダ州のネリス空軍基地にあるグルーム・レイク実験場に移った。
(※グルーム湖という乾燥湖の湖底に、エリア51などがある)

しかし宇宙船の本体はノートンに残されて、ノートンは空軍とCIAが管理する異星人テクノロジーの博物館のようになった。

複製した宇宙船を目にした者は大勢いるが、国家安全保障法によって口外を禁じられている。

ロズウェルに落ちた宇宙船の推進システムは、電磁波を起こして重力を排し、船体の周辺の磁極を転換していたようだ。

つまり、電荷のような反発力で制御された。

この推進システムは、ノートン空軍基地で実験が始まってからわずか数年で明らかになった。
宇宙船全体が巨大なコンデンサーになっていると分かった。

この宇宙船は、電磁波を起こして、地球の重力から脱出し、時速7000マイルを超えるスピードが可能になる。

しかし操縦士は、どうやって電磁場の中で生存できるのか。

私は、異星人の着ていた密着型の服に秘密があると考えた。

服の繊維は特殊で、蓄電作用を成して、宇宙船の電気回路の一部となるのだろう。

この技術は、ロズウェル事件から50年が経った今でも、アメリカ軍は再現の研究中である。
(※ここに抜粋している本は、1998年に出版されたものである)

宇宙船のスピードを考えると、アメリカ軍の飛行機の10倍のG力が操縦士にかかるはずである。

操縦士が極薄の服だけでどうやって耐えられたのかは謎だった。

操縦士の着ていた宇宙服を調べたエンジニアは、すぐれた伝導性に目を見張った。

宇宙船を調べたエンジニアたちは、一様に舌を巻いた。

船体の下部が見たことのない純度の高さの銅と銀で覆われていたからだ。

その合金は伝導性に優れ、宇宙船そのものを抵抗のない電気回路にしている様だった。

ノートン空軍基地では、1950年代に少なくとも2機の複製機を造ったが、動力は真似できず、別の技術を使った。

宇宙船を調べた科学者たちは、1920~30年代にドイツとイギリスが行った「反重力の実験」を想起した。

宇宙船は、電磁界を反重力界に転換したのではないか。

『電磁界を反重力界に換える』のは、ニコラ・テスラらが先鞭をつけた。
理論的には可能で、それには携帯用の原発などの(強力な)電力源が必要だった。

私は、操縦士たちが直面する生理学的な問題も考えた。

公式には宇宙飛行は安全だとされているが、実は短期の飛行でも身体に有害で、飛行時間が長引けば体力の消耗、筋力の低下、骨の張力の低下などが起きる。

しかしロズウェル事件で現地に倒れていた生物(操縦士)は、宇宙飛行に完璧に順応しているかに見えた。

そして墜落機には、食事をする設備が無かった。
どうやって生命をつないでいたのか。

(2022年10月14~15日に作成)


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