(時事通信2013年8月28日から要約)
福島原発の鋼製の貯蔵タンクから、大量の放射能汚染水が漏れていた問題について、INESの評価が「レベル1」から「レベル3(重大な異常事故)」に引き上げられました。
漏れた汚染水は、東電は総量を300トンと推計しています。
当初に公表していた120トンから大幅に増え、ストロンチウムなどのベータ線を出す放射性物質は、24兆ベクレルも放出された事になります。
(毎日新聞2013年8月28日から要約)
貯蔵タンクから漏れ出た汚染水は、一部は排水溝を通して海へ流出した可能性が高いです。
この事故は、不運で片付けるわけにはいきません。
鉄板をボルトでつなぎ合わせたタンクは、350基にものぼり、4件の漏れが起きています。
4月に「地下貯水槽の汚染水漏れ」があり、その後に「汚染された地下水の海への流出」が発覚し、さらに今回のタンク漏れです。
(数ヶ月の間に、連続して起きています。
地下水の海への流出は、収まっていません。)
原発事故の収束からは、ほど遠いのが現状です。
タンクは、地盤沈下で鋼材がゆがみ、それが漏れにつながった可能性が指摘されています。
地盤沈下に気付いたのは、目視で分かるほどに基礎にヒビが入っていたためです。
敷地内には1000基のタンクがあるが、測量はすべて1回だけでした。
大西有三さんは、「リスクを減らすために、定期的に測量をした方が良い」と指摘する。
経産省は、汚染水対策の予算を要求する事を決めました。
また廃炉の促進でも、44%増の125億円を要求します。
国が行う汚染水対策は、周辺の土を凍らせて地下水の流入を防ぐ「凍土遮水壁」の設置を中心にする方向です。
しかし、凍土遮水壁はこれまで長期に利用された例はなく、未知数です。
「遮水壁の効果や妥当性を、検証する必要がある」との声も上がっています。
政府はこれまで、なし崩し的な国費投入への警戒感がありました。
しかし汚染水漏れは、海外では原発事故の直後以来での危機と受け止められており、東電だけに任せておけない状況です。
○ 村本尚立のコメント
これまでの推移を見ていると、東電には解決能力はあまり無いようです。
事故の後処理については、日本の総力を結集する必要がありますよ。
原発については、すべての廃炉を決めて、海外への輸出も止めて、福島事故の後処理に注力したほうがいいです。
政府・電力会社・原発利権を持っている企業などの、原発推進の勢力を見ていると、「あなたの頭は、どうなっているのですか? 脳みそは動いていますか?」と心配になるほどです。
彼らの、福島からの教訓を無視している姿を見ていると、怒りを通り越して、哀れみを感じます。
「そんなにお金に飢えているのですか。寂しい人生ですね。」と思います。