以下の内容は、NHKが2013年2月に放送した、福島沖の魚についてのニュースからの抜粋です。
日本では現在でも、4県で42種類の魚貝類の出荷が制限されています。
福島沖から回遊する魚の移動範囲が、先日に初めて報告されました。
研究のきっかけは、昨年6月に青森県で、基準値を超えるセシウムのマダラが見つかった事でした。
研究チームは目印を付けたマダラを、福島沖から放流し、回遊範囲を調べました。
その結果、放したマダラは宮城県~青森県にかけて見つかりました。
つまり、青森で見つかった基準値を超えるマダラは、福島から泳いでいったと解釈できます。
研究チームは、他の魚についても、どこまで回遊するかを調べる予定です。
福島で見つかり続ける高濃度汚染の魚。
濃度は低下してきていますが、今も『全体の1割近くが、基準値を超えて』います。
これまでは、「放射性物質を体内に抱えるエサを、魚が食べているから」と考えられていました。
ところが最近になって、「エサの濃度は低下してきており、魚が食べても基準値を超えないはずだ」と分かってきました。
福島県・水産試験場の五十嵐敏さんの話
「エサの濃度は低いです。
だから、なぜ魚が基準値を超えるのかが謎です。」
試験場では、この謎について、2つの可能性を考えています。
① 原発事故直後にうけた汚染が、まだ体内に残っている
② 原発の専用港(原発の近く)にいる魚が、泳ぎ出ている
魚の汚染の仕組みは、解明されていません。
東京海洋大学の神田穣太さんの話
「汚染の仕組みをはっきりさせる事が大切で、調査が必要です」