(ネット上の動画から抜粋)
以下は、私がその洞察力に脱帽するアーノルド・ガンダーセン(アーニー・ガンダーソン)さんの動画からの抜粋です。
3号機の3月14日の爆発について、ガンダーセンさんが詳しく語っている動画を見つけました。
それを抜粋して紹介します。
○ ガンダーセンさんの話
3号機の爆発は、1号機よりもずっと劇的でした。
1号機の爆発の噴煙は、煙が建屋から離れていくのが、ゆっくりです。
(つまり、爆発の規模が小さい)
3号機の爆発は、1号機よりもはるかにスピーディーで大きいのです。
そして爆発のエネルギー方向は、すごい勢いで真上に伸びています。
3号機の上向きのベクトル(力の働き)は、1号機には無いものです。
福島原発の事故の後、2マイルも離れた所から、『多数の核燃料棒の破片』が見つかっています。
4号機の燃料プールにあった核燃料は、一時は水が減って露出しましたが、燃料は損傷を受けていません。
という事は、離れた所で見つかった破片は、3号機からと見ていいでしょう。
他に発見されたものに、次のものがあります。
「細かな粒子のウランが、ハワイとアメリカ西海岸で検出」
「パウダー状のプルトニウムが原発付近で検出」
「ここ(アメリカのニューイングランド)でも、アメリシウムが検出」
これらの物質は、『超ウラン元素』と呼ばれ、ウランよりも重いです。
各地での検出は、福島の燃料棒が破壊されて拡散したことを意味します。
3号機爆発の映像では、建屋の南側で、黒い煙が上がる前に『明るい黄色の閃光』が見えます。
3号機の爆発後の写真を見ると、建屋の大部分(特に南側)が吹き飛んでいます。
そして赤外線写真を見ると、南側に高温の熱源が確認できます。
これらのデータが示しているのは、『3号機の原子炉と格納容器は損傷を受けていないこと』です。
(南側にあるのは、原子炉や格納容器ではなく、燃料プールなのです)
私が推察するに、燃料プールの水が蒸発し、そこで水素ガスが溜まった。
そして上向きに水素爆発した。
プール上部はもともと吹き抜けになっており、爆風は上方へ向かったのです。
爆発の映像を見ると、(黒い煙が上に高く昇った後に)多量の破片が落ちてくるのが確認できます。
それらは、燃料棒を含む燃料集合体で、プルトニウムやウランの破片でしょう。
こう考えれば、プルトニウムやウランが2~3マイル離れた所で検出されるのも納得できます。
3号機の爆発のポイントは、『煙の黒さ』です。
それは、ウランやプルトニウムが揮発した事を意味します。
揮発して細かい粒子になったので、ハワイやアメリカ西海岸にも到達したのです。
それでは、何が激しい上昇のエネルギーをもたらしたのでしょうか。
ただの水素爆発は、あまり爆発力はありません。(だから水素爆発だけではない)
考えられるのは、こうです。
まずプールに水素ガスが溜まって、水素爆発が起きました。
その衝撃波により、プール内の燃料棒が激しく動いて変形します。
変形により、『即発臨界による核反応』が起き、それが大爆発のエネルギーになったのです。
この仮説を調べる方法はあります。
それは、噴煙に含まれる核種の同位体を調べることです。
アメリカ軍機がサンプルを採集していますから、すでに分析しているでしょう。
2つのキセノンの同位体を調べる事で、即発臨界が起きたかどうかが分かります。
(2014年4月19日~20日に作成)