福島原発事故⑧
汚染水の放出

(2011年4月5日の47NEWS、どうしんウェブから抜粋)

東電は2011年4月4日に、「汚染水11500トンを海に放出する」と発表した。

午後7時すぎから放出を始め、数日間は続く見込みである。

放出する汚染水は、「低レベル」としているが、濃度は最大で法律で定められている基準濃度の500倍だ。

11500トンのうち、1万トンは集中環境施設という廃棄物処理建屋にたまっている水だ。

残りの1500トンは、5&6号機の建屋付近にたまった地下水である。

これらの水に含まれる放射性物質は、1立方cmあたり最大で20ベクレル。

ちなみに2号機建屋の高濃度汚染水は、1立方cmあたり1千万ベクレル以上だ。

今回の汚染水の放出は、高濃度の汚染水が大量にあるため、保管場所を確保するための措置である。

2号機の取水口近くにある作業用の穴(ピット)からは、高濃度の汚染水が漏れており、海に流出している。

4月2日に採取した海水からは、法令の濃度限界の750万倍になる1立方cmあたり30万ベクレルのヨウ素131が検出された。

東電は4月5日に、隙間を特殊な薬剤で埋める作業を始めた。

(以下は『東京新聞2023年3月7日』から抜粋)

福島の漁師である小野春雄さんの話

「処理水の海洋放出には、全く納得がいきません。
トリチウムが生物に与える影響を、本当に解明できているのでしょうか。

海底にパイプラインを敷いて、1km先の沖から放出するやり方も、なぜそんな面倒なことを、と思います。

政府や東電が言うように(処理水が)無害ならば、わざわざ1km先から流す必要はないし、 そもそも潮の流れでわずかな時間で放出した水は散らばります。

柴崎直明・教授(福島大)の話では、原子炉建屋には今も雨水や地下水が入り込み、汚染水は増え続けています。

いつまで処理した水を、海に流し続けることになるのか。

処理水が海の生物に悪影響を及ぼさないか、魚たちの分も声をあげなければと思っています。」


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