(『しんぶん赤旗日曜版2023年6月4日号』から抜粋)
以下は、世界の原発に詳しいマイケル・シュナイダーの話である。
「日本では、原発を60年以上も稼働させる法案が議論されていますが、60年も稼働させるのは難しい。
フランスでは、56基の原発のうち、去年は半分が運転しませんでした。
世界にある原発のうち、50年以上稼働しているのは、十数基にすぎません。
なぜならカネがかかりすぎるから。
過去30年にEU内で原発の建設が始まったのは、2005年のフィンランドと、2007年のフランスだけです。
だがロシアは、自国やベラルーシ、中国、エジプト、バングラデシュ、イラン、トルコで原発を建設しています。
フランスのマクロン大統領は、「原発ルネサンス」と宣伝していますが、原発建設は進んでいません。
2007年に着工した(フランスの)フラマンビル3号機の建設費は、220億ユーロ(3兆2300億円)に達していますが、また稼働に至っていません。
原発は、工事が長引き、新規の建設プロジェクトはどれも高額の費用がかかっています。」