1週間ほど前に、福島原発事故後に増えてしまった「小児甲状腺がん」の近況について、ネットで調べました。
大手メディアがぜんぜん取り上げないので、ここ1年くらいの動きについて、ネット情報を収集したのです。
すると、報道されていないだけで、被害は確実に拡大している事が分かりました。
今日は、私が集めた情報をここで紹介します。
(以下は、ネットのいくつかの記事からの抜粋です)
2015年8月31日に公表された福島県民の調査報告書では、小児甲状腺がん及びその疑いのある子供は、137人となった。
(この数字は、原発事故後の検査で見つかった総計です)
137人のうち、手術を終えたのは105人で、良性結節だったのは1人のみ。
104人は悪性(つまり癌)だった。
重要なのは、137人のうち23人は、以前の検査ではA判定(問題なし)だった事である。
つまり、ここ1~2年で結節やのう胞ができた。
2015年6月30日の時点で、福島県では2193人に1人の子供が「甲状腺がん及び疑い」になっている。
川内村では280人に1人、湯山村では515人に1人の割合だ。
「甲状腺がん及び疑い」の子供は、2013年12月31日には74人だったが、14年6月30日には103人となり、どんどん増え続けている。
ちなみに2008年の福島県では、小児甲状腺がんになった子供は1人もいなかった。
2015年8月25日に茨城県の北茨城市が発表した甲状腺がんの検査結果では、3人の子供が甲状腺がんと診断された。
同市の子供4777人から3人出たので、1592人に1人の割合である。
北茨城市は、茨城県の北東部にある。
そして土壌からは高濃度のヨウ素129が検出されている。
生産されたホウレンソウのヨウ素131の測定(2011年3月後半)は、福島県よりも茨城県の方が濃度は高かった。
また、2015年7~10月の千葉県柏市の甲状腺検査では、199人のうち11人がC判定(二次検査が必要)となった。
津田敏秀教授(岡山大学院)は、2015年10月6日に発表した論文で、こう報告した。
「原発事故時に18歳以下だった福島県民は、調査の結果、甲状腺がんの発生率は国内平均の20~50倍に達している」
津田
「調査した約37万人を分析した結果、二本松市、本宮市、三春町、大玉村では50倍に達し、郡山市で39倍だった。
事故直後にヨウ素剤を飲ませておけば、発生は半分くらいに防げた。
放射性物質の放出量は、チェルノブイリの10分の1と公表されたが、もっとあったと考えざるを得ない。」
○村本のコメント
千葉県柏市の場合、甲状腺のエコー検査をすると、自己負担額は4~5歳は5200円、6歳以上は3820円です。
福島県の近くでここまでがん患者が出ている以上、近隣県では無料で25歳くらいまでは全員が検査をした方がいいです。
国が支援をしないといけません。
被害は、明確な数字でもって証明されています。
目をそむけて逃げ続けるわけにはいかない。
福島原発や放射能汚染を忘れて、東京オリンピックに意識を向けるのは、根性なしのする事です。
『日本人はきちんと現実に向き合えるのか(根性なしなのかどうか)』が、いま試されています。
チェルノブイリよりも事故規模が大きかったのだから、放射性物質の放出量も多いに決まっています。
「海に落ちた量が多い」とか「港湾内でブロックされている」とかの言葉で、油断してはいけません。
もっとメディアも取り上げる必要があります。
チェルノブイリ事故では、甲状腺がん以外の被害も多発しています。
事故後に生まれた子供たちは、病弱な体質が多い。
日本でもそうなるはずですが、彼らを切り捨てるつもりなのか?
このままだと、子供達の苦しみは無視され、切り捨てられてしまいます。
福島への帰還を急がせ、原発の再稼働を進める、安倍政権(自民党+公明党)。
彼らを支持して政権に就かせていていいのでしょうか?
ここの所を、しっかりと考えましょう。