(毎日新聞2013年4月22日から抜粋)
福島県が実施している子供の甲状腺検査について、『市町村別の判定結果』が公開された。
県は、「プライバシー保護」を理由に公表を拒み続けていた。
だが非開示にする理由がなく、開示された。
県の姿勢への批判が出ている。
開示されたのは、2011年度の検査結果だ。
昨年12月にNPO法人が請求し、今年1月に開示された。
県の一次検査では、4段階で判定をしている。
A1は「しこり無し」
A2は「5ミリ以下のしこりあり」
Bは「5.1ミリ以上のしこりあり」
Cは「すぐに二次検査が必要」
BとCが、二次検査の対象となる。
公開された結果は、子供38114人のうち、A2は13460人(35.3%)だった。
Bは186人(0.5%)で、Cは居なかった。
津田敏秀は、「変化の動向を見るために、定期的な公表が不可欠だ」と指摘する。
検査責任者の鈴木真一は、情報開示後の記者会見でも「本人に迷惑がかかる」として、結果を明らかにしなかった。
二本松市の鈴木麻記子は、長男(6歳)の県の検査に付き添った。
検査技師は、結果について何も話さなかった。
不安になった彼女は、一般病院で改めて長男の検査をした。
そして、7ミリのしこりが見つかった。
だが、県からの通知ではA2の判定で、リポートでは「1.6ミリののう胞だけで、しこりは無し」だった。
実は、県の検査では、4項目を省いている。
県はこの事を、公表していなかった。
検査責任者の鈴木真一は、「一次検査では、4項目を見る必要はないと考えた」と説明する。
検査のスピードを上げるために省略したと言う。
住民への説明会では、住民から『確認されたがん患者の居住地』や『被ばく線量の推計値』を求める声が上がった。
だが鈴木真一は、「個人情報だ」として明かさず、「被ばく線量は低い」と繰り返した。
母親の一人は、「『不安を解消する』と(福島県庁は)言うが、私たちは不安を解消してほしいのではなく、事実を知りたい」と訴えている。
○村本のコメント
ぜひ2012年度の検査結果も知りたいですね。
母親の「事実を知りたい」という気持ちは、当然の事だと思います。
最近は、個人情報の保護を名目にして、情報を隠す行為が目立っています。
私は、『個人情報の保護』を重視するよりも、どんどん情報を公開していく方が社会は良くなると思います。