エイブラハム
あなた方は、成長と自由を求めて物質世界に来た(誕生した)。
自分の価値を証明するために来たわけではないし、競争に勝つためでもない。
自分が無知な生徒としてこの世に誕生したと考えるのも間違っている。
あなた方は、よく「私はなぜここに居るのですか?」という質問をする。
これに対する私たちの考えは、こうだ。
あなた方は創造者なのだ!
物質が偶然に集まって出来た存在ではないし、他人に従うために生まれたのでもない。
あなたは、「宇宙の法則(引き寄せの法則)」を意図的に適用するために、この次元に生まれた。
つまり、創造の楽しみを享受するために、地球に来たのだ。
アーティストが、仕上がった作品ではなく、創作行為に満足を得るように、あなたも人生という作品を創る喜びを享受するために生まれてきた。
あなた方は永遠の創造者であり、楽しい経験をするために物質領域に来たのだ。
あなたは創造者なので、全ての経験を創造し、引き寄せている。
あなたに訪れる豊かさや貧困は、あなたがした事に対する報酬や罰としてもたらされるものではなく、あなたのスキルや能力で決まるのでもない。
あなたは、自分の思考と感情によって、得るべきものを得ている。
思考は磁力を持っていて、その強力な磁力によって状況や出来事が引き寄せられてくる。
あなたの人生経験はすべて、あなたの行動によってではなく、あなたの思考によって決まる。
思考は引き寄せの作用点になるが、感情も重要である。
どう感じるかが、引き寄せるものを左右する。
太っていると感じているのに、痩せた状態を引き寄せることは出来ない。
貧乏だと感じているのに、裕福さを引き寄せることは出来ない。
欲しいものを引き寄せるには、感じ方を変えることが大切だ。
不足している(欠落している)という感情(否定性の感情)から、既に持っているという感情(肯定性の感情)にどうしても切り替える必要がある。
宇宙は、思考と感情が一致している場合にのみ反応する。
例えば、病気について考え、不安や恐れを感じる時、そこには思考と感情の調和(一致)があるので、病気が経験に現れる。
一方、健康について考え、平和や喜びといった感情になる時、そこには思考と感情の調和(一致)があるので、健康を招き寄せられる。
ネガティブな感情を抱きながら、自分が望むものを考えても、波動が一致せず実現しない。
自分がどう感じているかに敏感になる事が大切である。
エスターは雨乞いをして雨を招き寄せようとした事があったが、雨が不足していると感じていたため、状態を悪化させる事にしかならなかった。
ここで、私たちが『転換のプロセス』と呼ぶものを説明しよう。
否定的なものを引き寄せる状態から、肯定的なものを引き寄せる状態に変わるプロセスだ。
まず、ネガティブな感情を覚える時には常に、あなたのナビゲーション・システムが2つの大切な事を告げている。
第1に、そこにはあなたが欲しているものがあるということ。
欲していなければ、何の感情も抱かないはずだ。
第2に、あなたは欲しているものを見ているのではなく、反対方向を見ているということ。
ネガティブな感情になったら、「私は大切なものを求めているが、それを見ていない。私が求めているのは何だろう?」と自問してほしい。
その次に、「私はなぜそれを求めているのだろう?」と自問してもらいたい。
そして自分が何を、なにゆえに求めているかをよく考えたら、既に望みを達成している自分を思い浮かべよう。
肯定的な感情が湧くまで、既に成りたいものに成った自分、既に望みを達成している自分、やりたい事をしている自分を思い浮かべるのだ。
必要なのは慣れだ。やればやるほど、あなたは上達していくだろう。
そして「転換」が起こるようになる。
何度も「転換」を繰り返しているうちに、いくつかの鍵となる欲求に気付くだろう。
普通、欲求の優先順位の1位は「自由」で、そのあとに「成長」「喜び」「元気」といったものが続く。
転換は、次のような働きをする。
絶えず肯定的な感情に導くので、良いものだけを引き寄せる状態になる。
また、自分の感情に敏感になり、大切なものがどんどん明らかになっていく。
あなた方の中には、『転換のプロセス』を誤解して、「間違っていることを正しいと呼びなさい」と教わっているように錯覚する人がいる。
「白いものを見て、それを黒と呼べ」と言っていると思うのだ。
だが『転換のプロセス』とはそんなものではなく、自分が何を望んでいるかを突き止め、それを引き寄せるものである。
もしネガティブな感情を覚えたら、その思考があなたの望みと調和していない事を示している。
そんな場合、ネガティブな感情を警告として受け止め、意図的に望ましい思考に移ってほしい。
例えばテレビを点けた時、絶望的な話や、戦争の報道が聞こえてきたとする。
あなたはネガティブな感情を覚えるという形で、『内なる存在』から警告を受け取るだろう。
この導きは、あなたの注意が望みとは逆に向いている事、このまま注意を向け続ければ影響を受けてしまう事を示している。
この状況では、「私が望んでいるのは何だろう?」と自問してほしい。
そして、望むものがはっきりしたら、「なぜそれを望むのだろう?」と自問してもらいたい。
こうやって考えていけば、ネガティブな感情が引いていって、ポジティブな感情に取って代わるはずだ。
あなたは望むものに注意を振り向け、効果的な転換を果たしたのだ。
意図的な創造をするために、どこに向かいたいかを自覚してほしい。
あなた方は、自分の居場所がないことに注意を奪われる傾向がある。
しかし「今、欠落しているもの」に焦点を定める限り、あなたの「今」は変わらない。
さらに、「成る」という概念を理解してもらいたい。
あなたは成長の旅をしているが、今も幸せでいられるし、創造と成長は自由で楽しいものなのだ。
今を楽しみながら「成る」概念を理解すれば、望みのものが手に入るまでの時間も短縮する。
楽しい創造(人生)とは、自分の望みを絶えず認識し、その達成に集中し続けることだ。
あなたが今を楽しみ、より楽しい経験の期待に満ちていれば、楽しくない経験や環境を引き寄せることはあり得ない。
創造の99%は、物質的な形になる前に完成する。
ところがほとんどの人は物質的な証拠を求めるので、物的証拠を見るまで自分が前進している事に気付かない。
物的証拠がない事に気を奪われると、あなたは疑いを抱き、欲しいものを遠くへ押しやってしまう。
トマトの種を植える農民は、芽が出る前に、創造が行われている事を理解している。
彼らは畑に行って種を踏みつけ、「すぐに芽を出せ」と要求したりしない。
自然の法則を理解しているからだ。
あなたも創造の種をたくさん蒔いているが、気が短いために、法則を理解しないために、種を踏みつけがちだ。
(『引き寄せの法則の本質』から抜粋)