エイブラハム
例えば、あなたが友達とランチをとっていて、相手が自分の病気の話を始めたとしよう。
あなたは聞いていて不安で落ち着かない気分になる。
それは『感情というナビゲーション・システム』が働いて、「いま聞いていることは自分の意図と調和していない」と教えているのだ。
そこで、あなたは(ネガティブな感情をおぼえるので)話題を変えようとする。
しかし相手は話に集中していて、病気の話から離れない。
するとまたも、あなたの『感情というナビゲーション・システム』が警告のベルを鳴らす。
暗いネガティブな感情がわくのは、友達があなたの欲しない事を話しているからだけではない。
ネガティブな感情は、『あなたが自分の欲求と逆のことを信じている、しるし』なのだ。
友達との会話は、「元気でいたい」というあなたの欲求と矛盾する、すでに持っている信念を活性化させたにすぎない。
だから友達と離れたり会話を打ち切ったとしても、あなたのネガティブな信念は残っているので気分は晴れないはずだ。
ネガティブな感情がわいたら、立ち止まって「自分は何を考えていたのだ」と振り返るといい。
ネガティブな感情がわくのは、あなたにとって重要なことを考えていて、しかも本当の欲求とは正反対の考え方をしている時だ。
立ち止まって振り返れば、自分が経験したいのと反対の事に思考を集中していたと気付くきっかけになる。
例えばこんな具合だ。
「このネガティブな感情がわいた時、インフルエンザの季節になったなと考え、以前にインフルエンザで苦しんだのを思い出していた。
いま自分が望んでいるのは何だろう?
それは今年のインフルエンザ・シーズンを健康に乗りきる事だ。」
こういう状況のとき、「単に健康でいたい」と望むだけでは十分ではない。
インフルエンザの記憶と、「インフルエンザにかかるかもしれない」との思いのほうが、元気でいたいという欲求よりも強力だからだ。
そこで、こんな風に望ましい信念や思考へ変えていくといい。
「今年はインフルエンザにかかりたくない」
「全員がインフルエンザにかかるわけではない。私だってかからないで済んだことが何度もある」
「私は健康でいたいし、そのほうが気分が良い」
「過去にインフルエンザにかかった時は、まだ自分で経験をコントロールできる事を知らなかった」
「今は思考のパワーや引き寄せの法則を理解している、だから状況は変わった」
「インフルエンザを経験しなければならない必然性はない」
「望む経験をするほうへ人生を動かしていこう、そう考えるほうが気分が良い」
「私は健康でいたいし、そのほうが気分が良い」
ネガティブな考え方が戻ってきても、こうやって思考を別の方向に向けていけば、そのうちネガティブな考えは起こらなくなる。
(『引き寄せの法則 エイブラハムとの対話』から抜粋)